沖縄のアメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設を巡り、沖縄県は２５日午後、国を相手取り裁判を起こした。国と県が互いを訴える異例の事態となった。

　辺野古への移設を巡っては国土交通相が、翁長知事が行った辺野古の埋め立て承認取り消しを一時停止する決定を行っていたが、沖縄県はこの決定を不服として、２５日午後、決定の取り消しを求める裁判を那覇地裁に起こした。また同時に、裁判の間、辺野古での工事中断を求める申し立ても行った。

　沖縄県はこの提訴を年明けに行う予定だったが、２４日夜、総務省の第三者機関・国地方係争処理委員会が、沖縄県が申し出た国交相の決定の取り消しを却下したため、提訴を早めることで辺野古移設を認めない姿勢を改めて示したい考え。

　辺野古移設を巡っては、すでに国が県を相手取り裁判を起こしていて、これで国と県が互いを訴えたことになる。