甘利氏秘書との面談記録、URが公表
建設会社からの献金を巡って甘利前経済再生担当相が辞任した問題。この会社とトラブルになっていたUR(=都市再生機構)への口利きはあったのか。秘書とUR側とのやりとりが、明らかになった。
UR(=都市再生機構)は1日夜、2013年6月から先月までの甘利事務所との面談記録を公開した。
甘利氏の秘書「突然、申し訳ないが、話を聞いてほしい。●●という土木工事の会社を知っているか」
UR担当者「存じ上げないが、承知した」
(去年10月5日の面談記録より)
甘利氏の秘書とURの間に、どんなやりとりがあったのか。週刊文春は、建設会社側が甘利氏側にURへの口利きを依頼し、その見返りとして、甘利氏本人やその秘書らに現金を渡したなどと報じている。
もし補償額を増やすよう“口利き”を行い、見返りを得ていた場合、法律に違反する可能性もあるが、甘利氏は会見で、秘書が弁護士にした説明として、「URに何かお願いをした記憶はない。解決をしてくれなどと話した記憶もない」と話した。
URによると、甘利氏の秘書との面談は2013年6月以降合計で12回行われた。補償について話題になったのはこのうち9回。URからは総務部長など8人が対応したという。
去年10月9日の面談記録によると、甘利氏の秘書は補償額について、「少しイロをつけてでも地区外に出て行ってもらう方が良いでのはないか」とUR側に話したという。また、「(URに)一度話を聞いてもらう機会をつくったことをもって、当事務所は本件から手を引きたい」とも記されていた。
その19日後、去年10月28日の記録で、URの担当者はこう漏らしている。
UR担当者「先方は口利きを期待していた様子だったが、●●秘書からも先日のお打ち合わせ時に、『ウチの事務所がURに圧力をかけてカネが上がったなどあってはならない』という趣旨のお話を頂いており(略)」
UR側は、建設会社側が“口利き”を期待していることを感じとっていた様子だ。
甘利氏の秘書「一体先方は幾ら欲しいのか?」
UR担当者「具体額は仰(おっしゃ)らない」
甘利氏の秘書「私から先方に聞いても良いが?」
UR担当者「逆にこれ以上は関与されない方が宜しいように思う」
そして去年12月の面談記録では、甘利氏の秘書の話として、「事務所に相談したが、それでも金額の増とはならなかった。ということでも事務所の顔は立つ」と記されている。
1日午後8時過ぎ、民主党に対し説明を行ったUR。
UR担当者「(甘利氏の)秘書の方々の人柄はいい方々で、口調とかそういうものは柔らかくて、秘書さんからの圧力は一切感じていない」
URは、秘書からの補償額の引き上げの要求や口利きはなかったと結論付けている。
また、URは、東京地検特捜部から、任意の事情聴取の要請を受けていることも明らかにしている。