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大阪市教委 組み体操ピラミッドなど禁止に

2016年2月9日 19:08
大阪市教委 組み体操ピラミッドなど禁止に

 学校の運動会などで行われる「組み体操」で骨折などの事故が相次いでいることを受け、文部科学省は事故防止に向けてガイドラインを示す方針を明らかにした。こうした中、大阪市教育委員会は、「タワー」と「ピラミッド」を禁止することを決めた。自治体による禁止は、全国で初めてとみられる。

 9日朝に開かれた大阪市の教育委員会会議では小中学校の運動会・体育大会の「組み体操」の危険性について話し合われたが、議論の焦点となったのは、「タワー」と「ピラミッド」の演技を禁止するかどうかだった。

 林園美教育委員「子どもが注意努力をしても避けられない事故が起こる可能性がある。現実事実ですので、そういう性質の団体演技、今後継続するのは難しい」

 大森不二雄教育委員長「達成感とか一体感とか味わう子どもがいるのも現実。感動する保護者がいるのも事実。ただし、そうではない子どもたちや保護者は多くの場合、声を上げられない」

 去年9月、大阪府八尾市の中学校で起こった組み体操での事故。10段のピラミッドが崩れ、1年生の男子生徒が右腕を骨折し重傷、5人が打撲するなど、軽いケガをした。

 大阪市でも、「組み体操」による事故が相次いでいたことを受け、去年9月、四つんばいで積み重なる「ピラミッド」については5段まで、肩に立って乗り、塔を作る「タワー」については3段までとする制限を設けた。

 しかし、小中学校に調査を行ったところ、高さ制限を設けたにもかかわらず、それまでと比べて、骨折の件数が増えていたことが明らかになったのだ。

 こうした事態を受け、市の教育委員会は、「重大事故に至る危険性がある」として「ピラミッド」と「タワー」を禁止することを決定した。「サボテン」や「倒立」など、それ以外の演技についても早急に調査を行い、来年度の運動会までに間に合うように方針を示すことになった。

 組み体操の問題について、馳文部科学相は9日の閣議後の記者会見で次のように述べた。

 馳文部科学相「ことは子どもの命に関わる問題で、重大な障害がという事例が含まれていることを考えれば、立法府からの指摘や実態の分析をふまえて、方針を示す必要があると思う」

 国も何らかの方針を示そうとしていた中、自治体としては全国初の決定とみられる大阪市の「ピラミッド」と「タワー」の禁止。今後さらなる議論を呼びそうだ。

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