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宮城・福島で震度6強 「死を覚悟…」新幹線“脱線”車内の状況は?

2022年3月17日 20:48
宮城・福島で震度6強 「死を覚悟…」新幹線“脱線”車内の状況は?

16日夜、福島や宮城で最大震度6強を観測した地震では、東北や関東の広い範囲で停電が起き、電車が止まるなど影響が広がりました。地震で脱線した新幹線に乗っていた男性が当時の車内の状況を語りました。

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震度6強に見舞われた福島・相馬市では、17日朝から住民が片付けに追われていました。

住民
「もうすごい全部ね、めちゃめちゃですよ」

自宅兼美容室だという店では、あらゆる物が散乱していました。家族は、一睡もできなかったといいます。

住民
「とにかく怖かったです。不安ですね。今夜も眠れないですね。何度も何度も、同じこと(地震)がくるから、ここは地震の巣なんですかね…」

16日夜午後11時半すぎ、東日本を襲ったマグニチュード7.4の地震。福島県と宮城県では、最大震度6強を観測しました。

「立ってはいられないぐらいでした。1分以上あったかなと思いますね」と話すのは、発生当時の住宅内の様子を撮影していた宮城・仙台市の住人です。

一夜明け、見えてきた爪痕。

震度6強を観測した福島・国見町では、屋根が車に覆いかぶさるように倒壊していました。町の別の場所では、家の塀が完全になぎ倒されていました。揺れの強さを物語る光景です。

宮城・仙台市の仙台城跡では、石垣が大量に崩れ、道路をふさいでしまう事態になっていました。

白石市にあるコンサートホールでは──

白石市文化体育活動センター 渡邉徹主任
「天井が落ちて、パイプオルガンも、結構損傷を受けていますね」

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白石市では、“これまでにない規模”の被害も発生しました。

東北新幹線「やまびこ223号」の全17両のうち16両が脱線しました。ほぼ全ての車両での脱線は、これまでに経験がないことだといいます。

地震発生当時、車内を撮影した動画では、轟音と共に、激しく揺れる様子が映っていました。撮影した人は──

動画を撮影した人
「脱線してもおかしくないくらいとんだので、新幹線が。ジャンプしたって感じがしたので、とにかく、揺れがすごく激しかった」

その後、新幹線は緊急停車しました。当時、乗客乗員はあわせて78人。停車した後も何度も揺れに襲われたといいます。

動画を撮影した人
「新幹線ごと落ちて、もう死んじゃうんだろうなと、覚悟を決めたぐらい『終わった』という状況でした」

避難できたのは、地震発生から約4時間後、ケガ人はいませんでした。

JR東日本は復旧について、少なくとも21日までは一部区間で終日運転見合わせが続くとした上で、具体的な再開時期については見通せない状況だということです。

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影響は長引き、一夜明けても、停電や断水が続いている地域もあります。

NNNのまとめによると、福島県では17日午後5時半時点で、60代の男性が亡くなり、70人がケガをしました。宮城県では、高齢の男性2人が亡くなりましたが、地震との関連は調査中で、98人が病院に搬送されたということです。

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東京など関東地方でも、強い揺れがありました。そして地震発生直後から広い範囲で、停電が発生しました。

信号も消え、交差点などで、警察官の手信号による交通整理が行われました。

停電により街の姿は一変。コンビニの明かりも消え、店内も真っ暗でした。

多摩川を挟んで神奈川県側は明かりがついていましたが、東京都側は真っ暗でした。このため、携帯電話や懐中電灯の明かりを頼りに移動する人たちの姿が見られました。

東京電力によると、地震による影響で関東全域と、山梨県、静岡県で最大で約210万件を超える停電が発生したということです。

広い範囲に影響を及ぼした停電ですが、埼玉・川口市では午前2時前、次々と建物の明かりがつき始めました。東京電力管内では、午前3時前に全面復旧しました。

そして、電車の運転見合わせも相次ぎました。

女性(横浜・JR根岸線本郷台駅、16日午前0時ごろ )
「動かなくなってしまったので、困っています」

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気象庁は、揺れが強かった地域では、今後1週間程度は、今回と同じような大きな規模の地震に注意するよう呼びかけています。

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