東電、原発事故前に「津波対策不可避」資料
福島第一原発事故の3年前に東京電力が「津波対策は不可避」などとする社内資料を作成していたことが分かった。
日本テレビが入手した資料は「福島第一原子力発電所津波評価の概要」と題されたもので、2008年9月に福島第一原発で行われた会議で配布された。
福島第一原発を襲う津波をコンピューターでシミュレーションした状況などが記され、「現状より大きな津波の高さを評価せざるを得ない。津波対策は不可避」という記述もあった。
この会議には、当時の福島第一原発の所長である小森明生氏らが出席し、議事のメモもあったが、津波想定の資料については「機微情報のため回収」、出席者の発言は「記載しない」などと書かれている。
また別の資料には、原発の敷地に最大で高さ15.7メートルの津波が来ることや、4号機の建屋では津波の高さが12メートルを超えるという試算も掲載されている。
東京電力はこれまで、「これほど大きい津波が来るのは想定外だった」と説明していた。今回、日本テレビの取材に対し、「当時の津波の検討に関する社内資料の1つと思われる」と答えている。