新型コロナウイルスの感染が、急速に拡大しています。14日、斉藤国土交通相は、今月前半の開始を目指していた「全国旅行支援」を延期すると発表しました。利用を考えていた人からは、落胆の声が聞かれる一方で、観光地からは複雑な本音も…。

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今後の「コロナ対策」について、岸田首相は14日午後6時すぎに会見を行い「新たな行動制限は、現時点では考えていません」と述べました。その上で、社会経済活動と感染拡大防止を両立していくために、夏休みの感染対策として、主要な駅や空港に100か所以上の無料検査拠点を整備することや、若い世代への3回目のワクチン接種などを呼びかけました。

そしてもう1つ、夏休みを前に14日に発表されたのが、「全国旅行支援」の延期です。

斉藤国土交通相
「全国旅行支援を実施する、そういう状況にはない」

「全国旅行支援」は、今月前半の開始を目指していた、新たな観光需要の喚起策です。全国への旅行で、公共交通機関を使った場合、1泊につき最大8000円の割引が受けられるもので、利用を考えていた人からは延期に落胆の声が聞かれました。

京都旅行を予定していた大学生（22）
「京都に行こうかなと考えていた」

――少しでも安く行きたい？

京都旅行を予定していた大学生（22）
「そうですね」

去年は、GoToトラベルを使って国内を旅行したといいます。

京都旅行を予定していた大学生（22）
「せっかくの夏休み。大学生なので、それで旅行に行きづらくなるのは、ちょっとさみしい…」

一方、14日までとしていた「県民割」については、「8月31日まで延長する」と発表しました。

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福岡市にある旅行会社「アドツーリスト」が見せてくれたのは、「全国旅行支援」の開始に合わせてつくっていた「夏旅」のチラシです。

旅行会社・営業所所長
「全国割（全国旅行支援）が始まるということで、準備していたチラシになります。作り直しという形に…。皆さま、楽しみにされていたかと思うのですが、そういう意味では、残念なお知らせだなと」

観光地からは、複雑な本音が聞かれました。

箱根の温泉旅館　支配人
「GoToトラベルなども含めて全国の支援が入った際は、多くの予約をいただけていた。夏休みもかぶっていたので、期待していた部分も大きかったところ」

夏に入り、予約数も少しずつ戻り始めていたといいます。温泉旅館の支配人は「この感染状況なので、全国的な支援は見送りという判断は仕方ないのかなと。我々もお客様が安心して旅行できる環境づくりに努める必要があると思います」と話しました。

(7月14日放送『news zero』より)