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年金の積立金運用 株安で5兆円超の損失

2016年7月1日 18:05
年金の積立金運用 株安で5兆円超の損失

 年金の積立金の運用が、昨年度、5兆円を超える損失となったことがわかった。

 政府にかわって年金の積立金を運用している独立行政法人「GPIF(=年金積立金管理運用独立行政法人)」の昨年度の運用実績は、世界的な株安などを受け、5兆円を超える損失となったことがわかった。単年度の赤字は2010年度以来、5年ぶり。

 GPIFは、年金の積立金約140兆円を株や債券で運用しており、2014年の10月、政府の意向を受けて、株への投資割合を資産全体の50パーセントまで引き上げた。

 野党は、「政府が株価引き上げのために国民の年金を使っている」と批判し、GPIFが運用実績の発表を例年より遅い7月29日に設定したのは、参議院選挙前の「損失隠し」だと指摘している。

 一方、萩生田官房副長官は、「運用は中長期的視点でしっかりと行い、将来の年金の支払いに備えるものだ。デフレから脱却しつつある中で適切な運用を行っている」と強調した。また運用実績を公表する時期と参院選の日程は、「関係ない」としている。