天皇陛下が「生前退位」の意向
天皇陛下が、生前に天皇の位を皇太子さまに譲る「生前退位」の意向を持たれていることが明らかになった。
宮内庁関係者によると、天皇陛下は、以前から生前に天皇の位を皇太子さまに譲る「生前退位」の意向を周囲に示されていたという。天皇陛下は、心身ともに健康な状態で公務を果たすことを大切にしていて、先のことを考えて、元気なうちに天皇の位を譲るという気持ちを持たれているという。
「生前退位」は「皇室典範」に規定されておらず、明治以降、生前に退位した天皇もいない。今後、法律の改正を含めた議論が必要となり、数年を要するとみられている。
82歳の天皇陛下は、今年もフィリピンを公式訪問したり、熊本の被災地を見舞うなど、精力的に数多くの公務や行事をこなされている。
天皇陛下は、4年前の会見では、公務の軽減について問われ「今のところ、しばらくはこのままでいきたいと考えています」との意向を示されていた。
一方で、去年の誕生日に際しての会見では、自身が高齢になったことも語られた。
「私はこの誕生日で82になります。年齢というものを感じることも多くなり、行事の時に間違えることもありました。したがって、一つ一つの行事に注意深く臨むことによって、少しでもそのようなことのないようにしていくつもりです」
また宮内庁は、以前から陛下の年齢にふさわしい公務のありかたを検討しており、今年5月には一部の公務を減らすことを発表していた。
一方、宮内庁幹部は13日夜、報道陣の取材に応じ、「生前退位ということを宮内庁関係者に伝えているという事実は一切ない」と否定している。