明治以降初 天皇陛下が「生前退位」の意向
天皇陛下が、生前に天皇の位を皇太子さまに譲る「生前退位」の意向を持たれていることが明らかになった。法改正などを含め国民的な議論に発展しそうだ。
宮内庁関係者によると、天皇陛下は以前から、生前に天皇の位を皇太子さまに譲る「生前退位」の意向を周囲に示されていたという。天皇陛下は心身ともに健康な状態で公務を果たすことを大切にしていて、先のことを考えて元気なうちに天皇の位を譲るという気持ちを持たれているという。
「生前退位」は「皇室典範」に規定されておらず、明治以降、生前に退位した天皇もいない。今後、法律の改正を含めた議論が必要となり、数年を要するとみられている。
天皇陛下は今年もフィリピンを公式訪問したり、熊本の被災地を見舞ったりするなど、精力的に数多くの公務や行事をこなされている。一方で、去年、82歳の誕生日に際しての会見では「年齢を感じることも多くなった」と、自身が高齢になったことも認められ、宮内庁も陛下の年齢にふさわしい公務のありかたを検討し、公務を減らすなどしてきた。
しかし、13日夜、宮内庁次長は報道陣の取材に対し、「生前退位ということを宮内庁関係者に伝えているという事実は一切ない」と否定している。
一方、天皇皇后両陛下は11日から神奈川県の葉山御用邸でご静養されている。生前退位の報道を受け地元の人たちは-。
長年御用邸前で店を営む人「今まではご公務大変でしたから、これからはお体を大切にして、ゆっくりと過ごしていただきたいと思います」
御用邸近くに住む人「少しでも元気なうちに世代交代されて、少しごゆっくりされてもというような気持ちも」
両陛下は静養を終え、14日夜、御所に戻られる予定。