外来種カメムシが北上中…あなたの家に来ちゃうかも?
歯止めがかからない「地球温暖化」。「虫」や身近な生き物の生息地にも着々と影響が出ていることがスマホアプリを使った調査でわかりました。「見たことない外来種のカメムシが自宅に来ちゃう日も近い?」。アプリを手がけた起業家が見通す未来とは。
■カメムシが北上中?1万7000人の調査でわかった生息地の変化
生き物を見つけてスマートフォンで撮影すれば、AIでその正体が判定できるアプリ「バイオーム」。「見たことない生き物を見つけてもすぐ調べられる」などとして話題になり、43万ダウンロードされている人気アプリです。(2022年5月時点)
このアプリを利用して、昨年度行われたのが、生き物の生息地から地球温暖化の影響を調べる「気候変動いきもの大調査」。のべ1万7000人超のユーザーが参加しました。
このアプリを手がけた藤木庄五郎代表取締役(33)は、特に「キマダラカメムシ」の分布に衝撃を受けたと話します。
藤木さん
「調査結果で言うと、かなり多くの種が北上している。キマダラカメムシは外来種のカメムシなので、広がると非常にいろんな生態系に影響が出ます」
バイオームによると、もともと東南アジアを中心に分布する外来種の「キマダラカメムシ」。1990年代は九州を中心に生息していましたが、2000年代に分布域が急速に拡大。今回の調査で関東北部にまで北上している実態がわかりました。このままだと近い将来、東北地方にも広がる可能性があるといいます。
増えすぎると、街路樹や農作物に被害が出るなど、生態系を崩してしまう可能性もあります。
■原点は「ブルーギルばかり釣れる池」釣り好き少年の生態系守る決心
藤木さんが、生態系に興味を持った原点は、釣り好きだった幼少期のある体験でした。
藤木さん
「ブルーギルばかり釣れる池があって、すごく不思議だなといろいろ調べてみると、外国から来た魚が日本の魚を食い荒らして、生態系が崩れていることがわかってきて、自分の好きなものが壊れることがとっても嫌で。生態系を守る活動をやりたいと思うようになりました」