漁師が“ムラサキウニ”たたき割る 高級食材なのに“厄介者”?
鳥取・琴浦町で20日、漁師が大量のムラサキウニを鉄の棒でたたき割っていました。ムラサキウニは高級食材ですが、漁協にとっては“厄介者”だということです。
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ムラサキウニは、上品な甘みと磯の香りが特徴の高級食材です。しかし、20日、鳥取・琴浦町の海には、ムラサキウニを鉄の棒でたたき割る漁師の姿がみられました。周辺には、ウニの身が飛び散っていました。
実は、大量発生したムラサキウニを駆除しているというのです。
鳥取県栽培漁業センター・増殖推進室研究員 西村美桜さん
「ウニがもう大量に発生してしまって、1平方メートルの中に50個体とか、すごい量のムラサキウニがいる場所もあります」
その数、例年の約10倍で、身もスカスカなウニが多いといいます。この大量発生によって、ほかの水産物に影響を及ぼす事態になっています。
赤碕町漁業協同組合 入江孝伸さん
「1時間でアワビが20キロ、30キロとれるみたいな、サザエは100キロ以上とれる豊富な海に戻ってもらえたら」
ムラサキウニが増えた一方で、アワビやサザエは減少。そのワケは、大量のウニが海藻を食べ尽くしたことです。「磯焼け」といわれる状態になり、アワビなどがいなくなってしまったのです。
この漁協にとっては“厄介者”のウニ。今後、鳥取県は、ムラサキウニを再利用する取り組みも行っていく予定だということです。