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お歳暮、トレンドは“自分買い”“小分け”

2016年11月2日 19:54
お歳暮、トレンドは“自分買い”“小分け”

 今年も「お歳暮」の季節になった。1日には都内にある百貨店ではお歳暮ギフトセンターがオープンし、開店前には従業員が「出陣式」を行った。近年では“自分買い”も人気だというお歳暮。決まり事やマナーを交えながら、お歳暮のトレンドを解説する。


■お歳暮の由来

 「お歳暮」はもともと、年末を意味する「歳暮(さいぼ)」という言葉だった。諸説あるが、武蔵野学院大学・林教授によると、もともとは江戸時代の中頃、年末に親戚が集まるときに、ご先祖様への新年のお供え物として、食べ物などを持ちより、家族や近所の人たちで分け合う風習があったという。

 これがその後、たとえば商人などが年末に、たまった支払いをしに行く時に、日頃の感謝を込めて、贈り物を持っていくという習慣に変化していった。これを「歳暮(せいぼ)回り」と言っていたが、やがてはその贈り物そのものを「お歳暮」と呼ぶようになったという。


■お歳暮の決まり事とマナー

 お歳暮は、お中元と違って、地域によって贈る時期が変わることはない。12月1日から20日頃を目安に贈るのが一般的とされている。

 また、お歳暮はお祝いではなく、お礼の気持ちであるため、贈り先にその年、不幸があっても、四十九日を過ぎていれば贈ることに問題ないという事だ。そのほかに、お歳暮を贈る際のマナーはあるのだろうか。

 マナー講師の小藤弓さんによると、お中元やお歳暮は一度贈った人には毎年贈り続けるのがマナーだと言われている。ただ、その年1年で特にお世話になったというような相手には、年の瀬のご挨拶として、「御礼」とのしに書いて贈れば、その年限りでも失礼にあたらないということだ。つまり、そうすることで「来年は…」などと気にせず、素直に感謝の気持ちを贈れそうだ。


■人気のキーワードは「洋菓子」「小分け」

 ところで、お歳暮で気になるのは「何を贈るか」だろう。大手百貨店が行った「贈りたい品」と「もらってうれしい品」に関する調査がある。大手百貨店担当者によれば、この両方で上位入っている「洋菓子」の売り上げが、ここ数年伸びているそうだ。

【贈りたい品】
(1位)洋菓子
(2位)精肉・ハム
(3位)和菓子
(4位)ビール
(5位)海産物

【もらってうれしい品】
(1位)ギフトカタログ
(2位)洋菓子
(3位)精肉・ハム
(4位)フルーツ
(5位)和菓子

 大人から子供まで、食べやすいことや、箱が比較的大きいメーカーが多く、「見た目がよい」ことが人気の要因ではないかと分析している。それに、お菓子は小分けになっているので、食べやすいという意見もある。実は、こうした「小分け」の商品というのが、最近のお歳暮では定番になってきている。

 たとえば、大手百貨店が今年、実際に販売する商品「鍋のセット」。鍋というと、みんなで同じ物をつつくイメージがあるかもしれないが、「すき焼き」や「水炊き」、「かに鍋」など、それぞれ好みのものを食べられる1人用サイズの鍋が冷凍でセットになっている。

 最近は、こうした家族それぞれが好みにあわせて楽しめたり、一人暮らし世帯でも少しずつ食べ切れたりする小分けの商品へのニーズは高くなっている。ただ最近、お歳暮を贈る人は多くない気がするが実際はどうだろうか。


■「自分買い」が好調

 確かに、博報堂生活総研の調査では、お歳暮を「毎年欠かさず贈る」と答えた人の割合は年々低下し、今年は32.2%。22年前の1994年と比べると半分近くにまで落ち込んでいる。

 年代別に見ても、今年は30代では18.6%、20代に至っては5.4%しかない。こうした中、いま、お歳暮の時期に「自分にお歳暮を贈る」という人が増えているという。

 お歳暮の時期の限定商品を自分へのご褒美や家族向けに購入する人や「相手に贈る品物の味を自分でも確かめておきたい」と購入する人もいるという。たとえば、高島屋では、こうしたお歳暮の「自分買い」の売上は、ここ2年、毎年5%ずつ伸びていて、幅広い世代に見られる傾向だという。

 今日のポイントは「自分が欲しいモノを」。小栗キャスターは、かつて母親から「贈り物は、自分が欲しいものを差し上げるのが基本」だと教わったという。その意味では、「自分買い」にも一理あるだろう。感謝の気持ちを伝える季節、気に入ったモノが見つかったら、大切な人にも贈るといいかもしれない。

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