京都や浅草で急増…新たなマナー違反とは?
外国人観光客でにぎわう京都や浅草など観光地で、新たな問題が持ち上がっています。それは観光客の「あるマナー」の悪さ。いったい何が起きているのでしょうか。
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古都・京都で「京の台所」として知られるのが錦市場。揚げたての串揚げなどが店先で販売されていて、京都の食文化を手軽に体験することができる。外国人観光客の約3割が訪れる人気のスポットなのだが、今“ある問題”に商店街が頭を悩ませていた。
道ばたには、食べ歩きした後のゴミが放置されたままに…。海鮮の串など販売する店では、食べ歩きをすると商品のタレが洋服につくなどトラブルにも発展しかねないと懸念していた。
年々増加する外国人観光客数に伴って、ここ数年“食べ歩き”をめぐるマナー違反が目立ってきたという。そこで、商店街は…。
京都錦市場商店街振興組合・宇津克美理事長「食べ歩きをすると1つの道路が狭くなります。人が出入りすることがだんだんできなくなってくるので、そういうことをしないように各店に指導しております」
錦市場の通りは、約400年の歴史があり、道幅はわずか3.5メートルほど。この細い道での食べ歩きは人の流れが滞り不向きだとして、今年の秋から、食べ歩きを“遠慮”してもらう取り組みを始めたという。しかし中には、食べ歩きのメリットをこう話す人も…。
食べ歩き商品を提供する店「活気があるよね。(Qこうなったのは食べ歩きの影響?)そうだよね。ここで食べたいという外国人も多いですしね」
食べ歩き商品を販売すると売り上げも伸びるため、販売自体を止めることは、したくないという。そこで商店街では、食べ歩き対策として、先月から外国人観光客らに向けた注意喚起を促す看板を設置。表記は、英語や中国語など4か国。
また各店舗には、イートインスペースの確保を促している。さらに、お客さんが食べながら店の外に出ないように、店先にゴミ箱の設置を進めていた。
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観光地での“食べ歩き”問題は、東京・浅草でも。浅草寺すぐ近くにある浅草伝法院通り商店街では、食べ歩きを全面的に“禁止”している。過去に、揚げ物を持ったまま他の店に入り、手に油がついた状態で、売り物の着物に観光客が触ってしまうなどの被害が出たためだという。
別の通りにあるメロンパンで有名な店では食べ歩きをしないよう、直接、お客さんにお願いをしていた。店はポスターも設置するなどマナーの周知を図っている一方で、外国人からはこんな意見も―。
カナダからの観光客「食べ歩きができないって?知らなかったよ。いま初めて知ったよ」
マナーを広め、食べ歩きを防ぐことはできるのだろうか。