フジテレビの番組、「テラスハウス」に出演していた木村花さんが自殺した問題をめぐり、母親の響子さんがフジテレビなどに損害賠償を求めた裁判で29日、響子さんが会見を開き「フジテレビ側から証拠がほとんど出されていない」などと話しました。

フジテレビの恋愛リアリティー番組「テラスハウス」に出演していた木村花さんが2020年に自殺した問題をめぐっては、花さんの心身の健康に配慮をせずに放送が強行され、SNS上でのひぼう中傷への対策もとられなかったなどとして、母親の響子さんが、フジテレビ側に対し、約1億4000万円の損害賠償を求めています。

2023年7月に始まった裁判でフジテレビ側は争う姿勢を示し、現在も審理が続いています。

この裁判について、29日、都内で会見を開いた響子さんは、「フジテレビ側から証拠が現時点でほとんど出されていない。提訴して2年間、わたしたち被害者からしたら何一つ進んでいない」と訴えました。

弁護団によると、これまでに響子さん側は番組を制作する過程で何が起きたのかを知るため、編集前の撮影映像などを開示するよう求めていますが、フジテレビ側は応じていないということです。

響子さんは、「5年という年月で、私たちの苦しみは変わらず増えている」としたうえで、当時のフジテレビの対応として独立した第三者委員会が開かれなかったと指摘し、「真相究明や再発防止に向けた行動を取ってもらえなかった」と振り返りました。

また、現在問題となっている中居正広さんと女性とのトラブルについても言及し、「人権という意味では同じ問題、地続きの問題だと思っている」などと話しました。