話題:「スマホ預かりバッグ」誕生のワケ
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ネットで話題の言葉を取り上げ、そのウラ側を探っていく「ホットワード」。今回は「スマホ預かりバッグ」。
「スマホ預かりバッグ」は、学生服などを作っている岡山市の「トンボ」が開発しました。中を開くと、名札を入れるところがあり、たくさんのポケットが付いています。
このバッグを使うことで、誰のスマホかが一目で分かり、クラスごとに管理ができます。この「スマホ預かりバッグ」がいま、ネットで話題を呼んでいます。
一方でこんな意見もあります。「そもそも、学校にスマホを持ってきていいのか」。もちろん今でも、スマホや携帯電話の持ち込みを一切禁止している学校もあります。
しかし、子どものスマホの所有・利用率は毎年伸びていて、内閣府の調べによると、去年の調査では小学校高学年で27%、中学生で51%、高校生で94%がスマホを持っています。
しかも、スマホは子どもと親との連絡が取りやすく電車が遅れたり、地震など非常時の対応をしたりする時にとても効果を発揮するため、登下校時に一律スマホ禁止というわけには、いかない現状があるんです。
ある私立中学校の教師は「保護者による通学時の生徒の安否、所在確認を考えると、学校でのスマホの利用や持ち込みは、止められないのではないか」とも話しています。
でも学校に持ち込むと、授業中にスマホを使ってしまう生徒もいます。学校への持ち込みを認めても授業の妨げになってしまうため、最近は朝に生徒からスマホを預かり、下校する時に返却するという対応をしている学校が増えています。
しかし、これが先生たちの新たな“悩みの種”になっています。スマホは貴重品で精密機器でもあり、個人情報もたくさん入っています。さらに、一目見ただけでは一体誰のものなのか分かりづらく、預かったスマホの管理が問題なんです。
そこで、こうした先生たちの声に応えようと、「トンボ」は「スマホ預かりバッグ」を開発しました。このバッグを使うことで、誰のスマホかが一目で分かり、クラスごとに管理ができるので、先生たちも負担の軽減になります。
トンボによると、ネットで話題になったことで、問い合わせが相次いでいるそうです。トンボ東京支社の和田裕人(わだ・ひろと)さんによると、制服などの販売が本業なので、最初は「重大な売り込み案件とは思っていなかった」そうです。
ただ、これだけネット上で話題になるということは、「“学校と生徒のスマホ”について高い関心があることの表れなのでは」と話していました。
「スマホ預かりバッグ」は、まだ販売されていませんが、すでに採用を決めた学校もあるそうです。学校でのスマートフォンの持ち込みには賛否があると思いますが、実際の教育の現場はこのような状況となっています。
みなさんは、どう思いますか?
(解説:コンテンツ開発班・小林整司編集長)