ネットニュースの出所、気にしていますか?
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世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「朝刊よりネットニュース」。ソーシャル経済メディア「NewsPicks」の編集長・金泉俊輔氏に話を聞いた。
公益財団法人・新聞通信調査会が2017年、5000人に行った調査によると、新聞の朝刊を読む人の割合は68.5%だった。
一方、インターネットのニュースを見る人の割合は71.4%と、調査開始以来、初めて朝刊を読む人の割合を上回った。
――この話題について、金泉さんにコメントをいただきます。フリップをお願いします。
「ニュースの出所を気にしない 57.1%」。実は、こちらの調査の中にあった数字です。18~80歳くらいまでの方の調査かと思うんですが、そもそも朝刊を読む人がまだ68.5%いることも、僕はすごいなと思いました。
個人的には、新聞紙で読むかネットニュースで読むかの垣根は、なくなってきていると思っているんですね。実際、新聞社や通信社のニュースを、みんなネットニュースで見ている状況があると思います。新聞社によっては、朝刊に出たものがすべてネットニュースになっているところもあるくらいです。
ただ問題は、ニュースの出所を気にしない読者が6割近くになってきていること。元来、新聞社や通信社、テレビ局などが、ちゃんとしたファクトチェックをして調査報道をしているにもかかわらず、そうでない個人の情報などもネット上にはあります。
オーディエンスデータ、個人の属性によって、その人の好みのニュースが集められるシステムがありますので、ちゃんとしたニュースと、そうじゃない個人の思い込みレベルのものが、ネットニュース上では並列に表示されてしまう。これが今のネットニュースの課題だと思っています。
そういう意味で、「ニュースは出所を気にしてください」ということを、ネットニュースでしゃべっているという(笑)。
――私たちは、実は、ネットニュースの見方を学んだことがないですね。
我々「NewsPicks」もそうなんですけど、これはメディア側の責任です。もしかすると学校教育まで遡って、メディアリテラシーの教育をしなきゃいけなくなると思います。
我々が心がけていることは、どのニュースをピックアップするかということに関して、社会的に意義があるニュースを新聞の紙面割りのようなかたちで見せていく努力をしている状況です。まずはどの新聞社、テレビ局、個人が発信したかを気にする習慣をつけるということが重要だと思います。
――発信側、読者側、両方の努力が必要になりますね。
■金泉俊輔氏のプロフィル
学生時代から雑誌のライターとして活動し、大学卒業後に出版社に就職。雑誌「週刊SPA!」の編集長などを務めた。2018年4月に転職し、ソーシャル経済メディア「NewsPicks」の編集長に就任した。
【the SOCIAL opinionsより】