高精度が話題「ハザードマップ」はこう見る
先週、国土地理院が公開した地図によると、西日本豪雨で浸水した岡山県倉敷市と、ハザードマップで予測されていたエリアはほぼ一致、精度の高さが話題になりました。そこで今回は、防災士の矢野良明さんと一緒にハザードマップの見方を確認してみます。
■どのマップを見ればいい?
インターネット上などでは、色々と掲載されていますが、どれを選べばいいのでしょうか。まずは、検索ページで、【国土交通省ハザードマップポータルサイト】という文字を入れて検索します。
表示されたのは、広域表示の【重ねるハザードマップ】と、地域レベルで表示される【わがまちハザードマップ】。矢野さんが、参考にしてほしいというのは【わがまちハザードマップ】です。地図を見るのが苦手な人でも、避難所の経路などが矢印で表示されて、見やすいんだそう。
今回は【東京都・江戸川区】を選択すると…自然災害の種類が出てきます。そこで【洪水のハザードマップ】を選ぶと…江戸川区の防災ページにすぐ切り替わります。そして【氾濫した場合の全体図】を選択。江戸川区の洪水ハザードマップが表示されました。
■色で水位がわかる
滝沢記者「(地図が)カラフルな色で塗られていますけど、どのように見ていったら良いのでしょうか?」
矢野さん「河川が氾濫した時に浸水する水位、それをブルーで表しておりまして、濃い青は2~5mの水位です」
他にも、「水色は1~2m」など浸水の度合いが5色で表示されています。実は江戸川区は、河川よりも住宅地の方が低い位置にあるため、約7割以上が浸水する想定に。このため、潮位表示板を174か所に設置し、日ごろから防災意識を高めています。
滝沢記者「この塔を見ると、2~5mという高さが、どれだけの高さなのかよくわかりますね」
■避難場所・経路を意識しておく
取材している場所は、江戸川区の中央1丁目。避難の際には、どこへいけばいいのでしょうか。
矢野さん「オレンジの丸は小学校などを示しているんですけども、2階以上が使える施設になっています」
一方、青色の丸で示されているのは、「すべての階に避難できる建物」。今回、避難できる場所として表示されているのは、直径1km圏内で3か所。矢野さんは、日ごろから色々な経路を歩くといいと話します。さらに、隣の地域に避難する場合は、その地域が安全とは限らないため、避難する先のハザードマップも確認する必要があるということです。
■土砂災害や津波も確認を
また、矢野さんによると、ハザードマップは他にも、土砂災害や津波などの種類があるということです。全国的に見ても、洪水以外の危険がある地域も多くあるということです。
さらに、洪水が発生した場合、排水作業にどれだけの時間がかかるのかも確認してほしいそうです。排水に時間がかかり、かつ人口の多い地域であれば、救助されるまでに1か月ほどかかる可能性もあるんだそうです。
今一度、確認してみてはいかがでしょうか。