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売り切れも!“国産メンマ”で放置竹林活用

2018年11月20日 20:05
売り切れも!“国産メンマ”で放置竹林活用

歯ごたえの良さでラーメンの具材としても人気のメンマ。これまでは中国や台湾など海外産が主流だったが、最近、「国産」が広がり始めている。そこにあった意外な理由とは?

◆“国産メンマ”のお味は?

東京・千代田区にあるラーメン店「饗 くろ喜(※実際の漢字は七が3つ)」。この店の人気メニューの一つが「醤油そば(1200円・税込み)」。具材はチャーシューやネギなど国産のものにこだわっているという。そして、ラーメンには欠かせないメンマも、福岡県糸島市で作られた国産のものを使用しているという。

黒木直人さん「(普通の店は)台湾とか中国で作られる麻竹(まちく)というタケノコのメンマなんです。(この店は)福岡の糸島のやつ。日本のメンマ」

国内で流通するメンマの9割以上は海外産だという。なぜ国内では珍しい国産メンマを使用しているのだろうか?

黒木直人さん「ラーメンって一杯の中で表現できる料理なんですよ。その中に日本の食材をいろいろ紹介したいなとか、(日本のメンマは)歯触りが柔らかい感じで、ほんのり甘みが、食べた時、感じられる」

国産のメンマの食感などがラーメンに合うという。ほぼ毎日来るという常連客は、メンマの盛り合わせも頼み、「なかなかないメンマですよ」と話す。

◆最適な「麻竹」は日本で採れない…どうする?

国産のメンマは、どのようにして作られているのだろうか。向かったのは、福岡県糸島市。「タケマン」製造工場では、小さいくずを取り除き、製品になる大きいものだけを選別しているという。

そもそも、なぜ国産メンマを作ろうと思ったのだろうか?

タケマン吉野秋彦代表取締役「私は10年以上メンマを作っていて、中国の方でやっていたんですけど、国産のメンマは市場にないものですから、そこから国産のメンマを作れればいいなということで」

ただ、日本では、メンマ作りに最適な「麻竹」と呼ばれる竹がほとんど採れないという。

では、どんな竹を使っているのだろうか。工場から車で20分、案内されたのは竹林だった。

タケマン・吉野政彦顧問「(Q:ここら辺の竹はどういう竹?)孟宗竹(もうそうちく)でございます」

ここで採れた孟宗竹という竹を使って、3年ほど前から国産メンマの生産をスタート。海外産のものとは違ってメンマ独特のにおいもなく、好評だという。

◆“国産メンマ”の裏に、放置された竹林

こうした動きは、長野県飯田市でも。市民団体と舟の運航会社が協力し、3年前から国産メンマの生産に乗り出しているという。

実際に食べてみると、しゃきしゃきとした歯ごたえとかんだ後にほのかな風味が口の中に広がる。商品は、すぐに売り切れてしまうという。

なぜ国産メンマを作ろうと思ったのだろうか。原料となる竹が採れる場所を案内してもらうと──

天竜川鵞流峡復活プロジェクト・曽根原宗夫代表「ここの竹林は、結構長い間、人の手が入っていなかった竹林」

案内されたのは、放置されていた孟宗竹の竹林。ここの孟宗竹を伐採することで、竹林の整備にもつながっているという。

天竜川鵞流峡復活プロジェクト・曽根原宗夫代表「私たちが(タケノコを)掘った後、ちょっと見落としていると、自分の背丈くらいまでタケノコが皮がついた状態で伸びてしまう。丸く筒になる部分、ここを私たちはメンマという食材として加工して活用」

もともと、景勝地の鵞流峡の景観が伸びすぎた竹によって損なわれたため、このプロジェクトが立ち上がったという。実際、舟から見てみると、きれいに竹が斜面上にそろえられている。その一方で、放置された竹林では、竹がそのまま伸びきっている状態で今にも川の方に覆いかぶさろうとしている。同じ場所で撮影された写真を見ても、竹が伐採される前と後では景観がかなり違っていた。

天竜川鵞流峡復活プロジェクト・曽根原宗夫代表「一度整備をしてきれいになった竹林は、メンマの畑になっていく。そういうイメージで活動をすすめています」

◆“国産メンマ”の広がり

実は、糸島での国産メンマ作りも放置された竹林の環境整備につながっているという。

栃木県内でタケノコの生産や植栽などを行う企業「若山ファーム」でも、国産メンマ作りに向けた動きが。

若山ファーム・若山太郎社長「全国には放置された竹が問題になっているので、改善して、各地区に産業が新たに創出され雇用が生まれていく、その足がかりに」

宇都宮大学と協力して、来年には商品化していきたいという。

今後も国産メンマ作りは広がっていきそうだ。