命の危険も…“ツメの感染症”防ぐには
大物ロック歌手のオジー・オズボーンさんが、マニキュアがきっかけの感染症で命の危険にさらされたと報じられ、注目されている。
ネイルをする人もしない人も注意が必要だという“ツメの感染症”。どうしたら、防ぐことができるのか?
◆“感染症”で緊急手術
イギリスの新聞に掲載されたのは、電球のように腫れ上がった親指の写真。ロック歌手のオジー・オズボーンさんが、右手の感染症で緊急手術、複数の公演を中止せざるを得なくなったという。
イギリスメディアによると、マニキュアが感染症の原因だったと語ったというオズボーンさん。医師からは、死の危険もあったと言われたという。
このニュースにネットでは…
「マニキュアで感染症ってどういうことなの…」「ネイル怖いね」「私も気をつけよ」
◆ツメの専門医は…
神楽坂 肌と爪のクリニック・野田弘二郎院長「通常、ネイル施術っていうのは、それほど危険を伴うものではないですけど、例えば、ツメの付け根の部分に傷をつけてしまうと、そこから細菌が入り込むことはあり得るだろうと思います」
ネイルなどが原因で起こりうるという「ツメの感染症」。実は、ネイルをしない人でも注意が必要だという。どうしたら防ぐことができるのだろうか。
◆ネイルサロンでは…
ツメの周りから細菌が入る感染症。日々、お客さんのツメを扱うネイルサロンでは衛生管理に気をつかっているという。施術前には、ネイリストとお客さん両方の手を消毒する。
アンフィ表参道・渡邊佳那子代表「感染予防とか、雑菌を一度消毒していく」
細心の注意を払うのが、ツメの付け根の薄い皮膚「甘皮」の処理。甘皮の周りの角質を取り除くことで、ネイルの仕上がりがよくなるというが…。
アンフィ表参道・渡邊佳那子代表「薄い皮膚になっているので、やりすぎると傷めちゃったりとか、血が出ちゃったりとか、ささくれをさらに作ってしまったりとかいうこともある」
傷やささくれができると、雑菌が入って化膿(かのう)することもあるため、注意が必要だという。
アンフィ表参道・渡邊佳那子代表「(Q.自分でやる人もいらると思うんですけど?)いらっしゃいますね。ささくれだらけになっちゃう方、結構いらっしゃるので」
技術が必要な作業で、うまくできるようになるには5年かかったという。
そして、ツメを消毒できる薬を塗ってからネイルを始める。
◆ツメの感染症は誰にでも起こりうるのか?
ツメの感染症は誰にでも起こりうるのだろうか?
神楽坂 肌と爪のクリニック・野田弘二郎院長「甘皮を傷付けてしまうことで化膿(かのう)してしまう。ネイルしない人でも、ツメの周辺のささくれをむしるとか、そうしたことをきっかけに、ばい菌が入って化膿(かのう)してしまうのは日常的にみている」
ただ、免疫に問題がなければ、死に至るケースはまれだという。
◆ツメの感染症は他にも…
ツメの感染症は、傷口から細菌が入るものだけではない。
ツメが緑色に変色する「グリーンネイル」。ツメにジェルをのせて固めるジェルネイルをしている人によく起こるという。ネイルをしてから時間がたつと、一部がはがれて自分のツメとの間に隙間ができることがある。そこに湿気がたまると、元々、手などに存在する「緑膿(りょくのう)菌」が増殖。するとツメが緑色になり、においが出るなどするという。
◆予防するためには…
誰にでも起こりうるツメの感染症。予防するためには、甘皮の処理やネイルを自分でせず、熟練したネイリストに任せる、ささくれはむしったり、ひっぱったりせずにハサミで切ることがポイントだという。