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宮崎の山奥に“ミステリーサークル”正体は

2019年2月20日 19:24
宮崎の山奥に“ミステリーサークル”正体は

宮崎県の山奥に現れた大小2つのミステリーサークル。「宇宙人が来たみたい」と話題になっている。一体、その正体とは―。

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今、ある山で撮影された“ドローンの空撮映像”が話題になっている。山の中腹に現れた2つの円。直径60メートルほどで、木が極めて規則的に並んでいるのがわかる。撮影されたのは、宮崎県日南市にある猪八重渓谷の山中。

一体、これは何なのか―。

街の声「UFOが来る時、目印として…」「宇宙人みたいな。これ自然にできるのやばくない!?“ナスカの地上絵”的な」

謎が謎を呼ぶこの映像を、私たちはこの目で確認すべく、担当者と共に宮崎県の奥地へ。付近の高台で見た光景というのが…。

宮崎南部森林管理署・野邊忠司次長「本来ですと、あちらの方に見えるんですけど…」

記者「ちょっと霧が濃いですね…」

その姿を隠そうとしているのか。霧が立ちこんできたため“ミステリーサークル”は確認できず…。しかし、撮れ高なしでは終われない。雨の山中へ道なき道を進み、あの“ミステリーサークル”のふもとを目指す!予想だにしていなかった“険しい道”を担当者の助けを借り、体力を振り絞って突き進む。

すると…所用時間およそ30分。私たちは、ようやく“ミステリーサークル”の中心部にたどり着くことができた。

記者「周りに生えてる一本一本の杉が円形に見えてたんですね」

宮崎南部森林管理署・野邊忠司次長「そうですね、はい」

周りは円を描くよう杉の木が360本生えていて、奇妙なことに、木と木は全て均等な幅で生えていた。実は、これにはヒミツがあった。

宮崎南部森林管理署・野邊忠司次長「ミステリーサークルではなく、宮崎南部森林管理署の試験地」「(Q人がその形に植えたもの?)そうです。植栽の間隔が違うことによって、木の材質とか成長がどう違うか試験をしております」

実は、ミステリーサークルは木を植える密度によって、成長にどんな違いが出るのか調べるために、国が植林したものだった。

木が植えられたのは、1973年。円の外側に行くほど広い間隔で植えられているが、それから46年たった今、思わぬ結果が…

宮崎南部森林管理署・野邊忠司次長「中心と外側では5メートルの高低差が出てる」

狭い間隔で植えられている中心部の木は、高さ15メートル。広い間隔の外側の木は、高さ20メートル。およそ5メートルもの差がついた。つまり、間隔を広げて植えるほど、高く成長することがわかった。また、木の直径も中心部ほど細く、外側ほど太くなることもわかった。

宮崎南部森林管理署・野邊忠司次長「今後とも調査研究を続けて、観光として地域の活性化になれば」

思わぬ形で注目をあびた“ミステリーサークル”。宮崎県は4年後に木の伐採を考えていたが、急きょ観光資源として保存する案も浮上しているという。