松之丞、伯山襲名「伯山の偉大さ」伝えたい
来年2月に真打ちに昇進すると同時に、六代目神田伯山(はくざん)を襲名する講談師、神田松之丞(36)が2日、都内で会見し、大名跡を担う責務などを語った。
会見には、松之丞が所属する落語芸術協会会長の春風亭昇太(59)と副会長の春風亭柳橋(63)も出席した。
昇太は「我が協会としても自信をもって送り出せる真打ち」と太鼓判を押し、柳橋は「寄席・演芸界にとっても大変大事な真打ちが誕生する。令和の大名人と、何十年か後に言われるんじゃないかと思う」と松之丞の才能をたたえた。
松之丞の師匠で、人間国宝の講談師、神田松鯉(77)は、前座のころの松之丞のダメさ加減を語り「手取り足取り、日常生活全部を矯正し指導してまいりました」と笑わせ、「講談界に落語界のようなにぎわいがいつ来るかと思っていたが、春が来る兆しが見えて来た。この子(松之丞)にも頑張ってもらいたい」と愛弟子に期待した。
44年ぶりに大名跡を襲名する松之丞は「憧れの神様のような名前です」と気を引き締め「ところが世間は、伯山という名前を知らない人が圧倒的に多いと思う。五代目まであった伯山の偉大さみたいなものを、ここで取り戻すストーリーというかね。生意気なようですが、初代から五代目までのすごさを伝える宣伝部長も、六代目の自分に課せられているのかなと思います」と語った。