「小学校に行きたい」難病かかえる少年の夢
眠ると呼吸が止まってしまう難病を患う男の子と、シングルマザーの親子がいる。男の子には、ある夢がある。その願いをかなえるための親子の2年間に密着した。
20万人に1人の難病をかかえる“たっくん”の夢…それは「1年生になりたい」みんなと一緒に小学校に行きたい。
白水逞磨くんは、睡眠時に呼吸が止まってしまう難病をかかえている。シングルマザーのさくらさんは、事務の仕事をしながら息子を育てている。
母・さくらさん「呼吸が止まっていることに気付かなかったらどうしようと思って眠れない。睡眠時間は2時間とか3時間とか、毎日」
特別な機器を取り付けるため、生後まもなく気管切開をした。たっくんは、さくらさんが仕事をしている間、病気の子どもたちを受け入れる“ひだまりのおうち”で過ごす。ここでは常駐の看護師がいて、医療的なケアをしてもらえる。普段のたっくんは元気いっぱいの男の子だ。
さくらさん「健常者の子たちと変わらない生活を送れる可能性があるから、できれば社会に出してあげたい」
さくらさんは、たっくんが地元の公立小学校の中にある特別支援学級に通えないかと奔走していた。この日は就学について、教育委員会らと話し合いだ。福岡市の公立小中学校には看護師がいないため、本人や保護者による処置が必要とのことだった。
ひだまりのおうち代表・川津有紀さん「たっくんが小学校に行くにはここのね、たんをとる吸引を自分で出来たらいいなって、学校の先生が言っていました。練習してみる?」
たっくん「うん」
しかし、練習は容易なものではなかった。
たっくんは小学校に入学できる6歳になり、自力でのたん吸引もしっかり出来るようになった。この日、さくらさんは教育委員会に呼ばれた。
さくらさん「特別支援学級、地域の学校に行けますというお知らせでした。良かった」
福岡市は、特別支援学級に初めて看護師を配置する。
さくらさん「学校に行けるってよ!4月から、やったーの人?」
たっくん「はい!これ何?」
さくらさん「これは学校に持って行くランドセル」
母と子にとって、また新しい生活が始まった。
【the SOCIAL lifeより】