韓国で、看護師らがストライキを行う可能性が高まっています。処遇改善などを求めた、政府と医療スタッフの団体との交渉は、いまだ合意に至っていません。海外でのコロナをめぐる最新の動きです。

■ドイツ　「ワクチン接種は体へ悪影響」数千人規模のデモ

３９０万人以上が感染したドイツのベルリンで２９日、警察が出動する事態となりました（ドイツ　感染者３９４万７０３５人　死者９万２２０７人　米ジョンズ・ホプキンス大　３１日午後５時時点）。

その理由はどのようなものでしょうか。数千人規模のデモで、人々はマスクをせずに大声で叫んでいました。プラカードには、「ワクチン接種をしないことが最先端」とありました。

デモに参加した人たちは、「ワクチン接種は体への悪影響がある」などと主張し、接種をすすめようとする政府に対し、２日間にわたって抗議が続いたということです。

■アメリカ　ＬＡの学校で臨時の接種会場が設置

アメリカでは、これまでに３９００万人以上が感染しました（アメリカ　感染者３９０５万７４５９人　死者６３万８７１１人　米ジョンズ・ホプキンス大　３１日午後５時時点）。

３０日、ロサンゼルスの学校では、学校内に、臨時の接種会場が設置され、１２歳以上の生徒らに対し、ワクチン接種が始まったのです。学校で接種を受けられることについて、生徒たちは─。

女子生徒（１６）
「学校で接種するから授業を休む必要もないし、そのまま教室に行くことができる」

男子生徒（１７）
「コロナの感染者が周りに増えているので、家族を守りたいと思った。それだけだよ」

およそ６０万人の子供たちがいるロサンゼルスの学区では、今、子供の感染が急拡大しています。今月１６日に全面再開されたばかりの学校ですが、その後、１週間で２６００人あまりの子供たちが新型コロナウイルスに感染しました。その多くは、スポーツ活動の中で感染し、複数の学校でクラスターが発生しているといいます。

そのため、教職員らについては、１０月１５日までのワクチン接種の完了が義務づけられています。

■イスラエル　３回目の「ブースター接種」１２歳以上に対象拡大

イスラエルでも、子供へのワクチン接種が加速しています（イスラエル　感染者１０６万６３５２人　死者７０４３人　米ジョンズ・ホプキンス大　３１日午後５時時点）。

３回目のワクチン接種、いわゆる「ブースター接種」が、これまでの３０歳以上から１２歳以上に拡大されました。

イスラエル保健省
「３回目のワクチン接種後は１０倍の防御効果がある」

イスラエル保健省は、ワクチンの効果は半年で低下し、３回目の接種で効果を取り戻せると説明していて、ベネット首相は１２歳以上のイスラエル人全員に直ちに接種を受けるよう呼びかけています。

■韓国　看護師らがストライキ決行の可能性

韓国では、長引く第４波で医療現場もひっ迫しつつあります（韓国　感染者２５万１４２１人　死者２２８５人　韓国・保健当局　３１日時点）。

１８日には、看護師らが、処遇改善などの要求のため、ストライキを行うと予告していました。

「お金より命だ！医療スタッフを拡充しろ！拡充しろ、拡充しろ　拡充しろ、闘争！」

その後も政府と「医療スタッフの労働組合」との交渉は続いていました。しかし、３１日未明まで行われた交渉でも合意できず、来月２日、ストライキが決行される可能性が高まっているのです。

保健福祉相
「ストライキは医療体系に大きな負担を与えることになり、日常への復帰そのものが遅れることになります。被害はそのまま国民が被るでしょう」

ストライキに参加する可能性がある医療スタッフは、１万６０００人あまりと想定されています。

■中国　河南省・鄭州市で人々“封鎖措置の解除”祝う

中国では、９万人以上が感染しました（中国　感染者９万４８７９人　死者４６３６人　中国・衛生当局　３１日）。

河南省・鄭州市では、旗を片手に笑顔で街を練り歩く人たちの姿がありました。祝っていたのは、封鎖措置の解除です。

河南省は、先月、１０００年に１度と言われる記録的な大雨が続き、大規模な水害に見舞われました。地元メディアによりますとこの直後、鄭州市内で新たに１００人以上の感染者が確認され、封鎖の対象になり、外出禁止などの措置が取られていました。

今回、解除になったのは市内の最後の１カ所。事前に、消毒や、１２００万人以上を対象とした検査を行ったといいます。

街の人からは、喜びの声が聞かれました。

市民
「外を歩き回って新鮮な空気を吸いたい！」
「（会えなかった）家族に会いに行こうと思います」

市は今後も、感染予防を行っていくとしています。

　　　　◇◇◇

ワクチン接種を完了した人の割合は、イスラエルでは６２．３パーセント（オックスフォード大　３１日）、日本は４５．１パーセント（首相官邸ＨＰより　３１日）、韓国は２９．６パーセント（韓国・保健当局　３１日）となっています。