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【新潟震度6強】特徴と注意点を専門家解説

2019年6月19日 20:22
【新潟震度6強】特徴と注意点を専門家解説

18日夜、新潟で震度6強、山形で震度6弱などとなった地震で、ケガをした人の数は19日夕方現在、27人にのぼっている。一夜明け、建物の倒壊や液状化などの被害も明らかになってきている。元気象庁地震津波監視課長の愛知工業大学・横田崇教授に、今回の地震の特徴などについて聞く。


<被害状況まとめ>

◇ケガ

19日午後5時の時点で分かっているケガ人は、計27人。最もケガ人が多かった山形県では女性(68)が転倒し、足を骨折したとみられるなど、17人がケガをした。

また、新潟県と宮城県で4人、石川県で1人、秋田県で1人となっている。

◇家屋などへの被害

消防庁によると震度6強の揺れを観測した新潟県村上市では、46棟の住宅が一部壊れたという。

また、10人がケガをした山形県鶴岡市では、中学校で施設や廊下の天井の一部が落下、酒蔵では出荷前の一升瓶が割れるなどした。温泉街では配管が破損して旅館に湯が供給できなくなるといった被害も出ている。また、JR鶴岡駅の駐車場では液状化とみられる現象も確認されている。


◆今回、どのような場所で最大震度6強の地震が起きた?

日本海の東側の端、新潟の沖合から北海道の沖合にかけて、断層が多くひずみが集中している『日本海東縁ひずみ集中帯』と呼ばれる場所がある。今回の地震は、そこで起きている。

◆『ひずみ集中帯』の過去の地震は?

『日本海東縁ひずみ集中帯』の範囲の中で起きている過去の地震は、

 ・1983年:日本海中部地震
 ・1993年:北海道南西沖地震
 ・2004年:新潟中越地震
 ・2007年:新潟中越沖地震

などがある。

中でも今回の地震は、1964年に起きた新潟地震の余震域の北側で発生した。

北海道南西沖地震や日本海中部地震が発生して調べられた結果、どうやらここに新しくプレートが沈み込みはじめたらしいとして、新しく境界が引かれた。比較的新しいエリアとなっている。

◆『日本海東縁ひずみ集中帯』の範囲で起きる地震の特徴は?

東西の地下が圧縮された場で起きる逆断層帯が沈んでいくと、そのうち日本海が日本列島の下に沈み込みはじめる。そういった新しいプレート境界を生みはじめる。

まだぶつかっているところで明瞭な境界が見えていないが、将来きっと日本海側のユーラシアプレートが東北方向の下に沈み込みはじめる、そういう最初のプレートを形成しはじめている、その場所で起きている。

◆今後の注意点は

地震が発生すると、地震が活発な状態がしばらく続く。こういう時は大きな地震が起きやすいので、1週間くらいは同程度、あるいはもっと大きな地震が起きるかもしれないので、注意が必要。

これは活発な状態が1週間程度続くということで、その後ももちろん余震なども起きる可能性があるので、日頃から地震への備えを十分しておきたい。

◆発生から約26分後に粟島で微弱な最初の津波が観測。これが最初の津波?

今回の地震でみるとこれが最初の地震として観測された。

しかし、もっと地震が大きいと、もっと速く到達するかもしれない。例えば日本海中部地震では7分で到達した。北海道南西沖地震の時には3分で来ている。近いところだとあっという間に、大きな津波が速く来るので、注意が必要。

日本海側は崖地があって崖崩れも心配だ。崖崩れの起きにくい高台に、いち早く海岸から離れて避難することが重要になる。