投資詐欺広告 被害増…「メタ」社を集団提訴、なりすまし詐欺の実態は…
実業家の前澤友作さんが投資を呼びかけるようなSNS上の画像がありますが、実際はニセの広告。こうしたニセ広告で、カネをだまし取られたとして、被害者の男女4人がフェイスブックなどを運営する「メタ」社に損害賠償を求める訴えを起こしました。
25日、神戸市や東京都などに住む男女4人が、フェイスブックなどを運営するIT大手メタ社の日本法人に対し、訴えを起こしました。そのワケは──
弁護団
「昨年1年の間にSNS型投資詐欺被害が急増。メタ社は漫然と虚偽広告を掲載するような中で被害に遭っている」
著名人になりすました詐欺広告。いま、こうした著名人の顔写真を無断で使って投資を呼び掛ける詐欺広告が増えていて、実際に被害が出ているのです。
詐欺広告に写真を使われた前澤友作氏(今月10日)
「本当に怒っています」
詐欺広告に写真を使われた実業家の前澤友作氏は今月、メタなどに詐欺広告の削除を求めているものの、十分な対応が取られていないことを訴えましたが、メタ社は──
メタ社
「オンライン詐欺は社会全体の脅威です」
この対応に、前澤氏はSNSで怒りをあらわにするなど大きな問題となっている詐欺広告。
こうした中で今回の集団訴訟が起きました。原告側は、メタが広告の内容を確認する義務があるにもかかわらず、広告料収入を得ていたと主張。メタの日本法人に対し、約2300万円の損害賠償などを求めています。
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金額が“億”を超える被害も…。
茨城県に住む70歳の女性が、著名人を名乗る人物などから約7億円をだまし取られたのです。警察庁によると、SNS型投資詐欺の被害金額としては過去最高額という、この事件。
女性は去年11月、インスタグラム上に表示された投資を勧める広告にアクセスしたところ、経済アナリスト・森永卓郎さんと名乗る人物のLINEアカウントが表示されたといいます。
女性が友達に追加したところ、今度は“アシスタント”を紹介され、積み立て投資ができるというアプリをインストール。そのアプリで口座に振り込みを誘導されたほか、自宅の最寄り駅で男に合計1億3000万円を手渡したことも。
さらに…
“アシスタント”
「利益が33億円を超えています」
しかし、女性がお金をおろそうとすると…
“アシスタント”
「手数料が必要です」
その後、不信感を覚えた女性が「詐欺では?」と送信したところ、連絡が取れなくなり、だまされたと気づいたため、警察に相談し、事件が発覚しました。
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被害が相次ぐ、なりすまし詐欺広告。実際に別の詐欺広告に写真などを使われた側の1人、兵庫県明石市の前市長・泉房穂さんは…
前明石市長 泉房穂氏
「私が投資に関して呼びかけているのは、全部なりすましです」
実際にSNSに掲載された広告。誘導された泉さんを名乗る偽アカウントに、泉さん本人が接触すると…
前明石市長 泉房穂氏
「これ違うよね。こんなんどうみたって私やん。完全に私になってるやん」
本人も思わずうなってしまう、偽アカウント。
泉さん本人が「あなたは本当に泉房穂さんですか。それとも代理の方ですか?」と送信すると、「もちろん、私自身です」と返信が。
前明石市長 泉房穂氏
「誰自身や!」
「許しがたいな。こんなこと平然とやってるんやろうな」
泉さんは今後、メタに対し刑事告発を含む法的手続きを検討するとしています。
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相次ぐ被害を受け、自民党は25日、対策検討会合を開催。先週、メタ社に広告の一時停止などを求めましたが、まだ回答がないということで対応を批判し、国会への参考人招致も視野に検討する考えを明らかにしました。
では、なりすまし詐欺にだまされないためには、どうすればいいのでしょうか。
SNS型投資詐欺などに詳しい成蹊大学・高橋暁子客員教授
「著名人の投資広告が出ていたら、絶対に疑ってその話には乗らない」
「(著名人の公式SNSを)検索して、詐欺である、本当ではないという情報を得ることで、被害に遭うことを防ぎます」
(4月25日放送『news zero』より)