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「茅の輪」めぐり神社が訴え…苦しい胸の内は

2019年7月1日 19:43
「茅の輪」めぐり神社が訴え…苦しい胸の内は

全国各地の神社で、この時期行われる「茅(ち)の輪くぐり」という行事がある。これは穢(けが)れを清め無病息災を願うもの。ところが今年この「茅の輪」をめぐり、京都の神社がSNSで異例となるコメントをアップした。その苦しい胸の内とは──。

◆「茅の輪くぐり」めぐり北野天満宮が“異例”コメント

7月に入り、今年も折り返し地点。全国各地の神社でこの時期に行われる恒例の儀式が、植物の一種「茅(かや)」を束ねた輪をくぐる「茅の輪くぐり」。6月30日の夏越の祓(はらえ)に合わせ、神社に設置されるこの「茅の輪」をくぐることで、これまでの半年の穢れを清め、これから半年の無病息災を願うものだ。

ところが今年、この「茅の輪」をめぐり、京都の全国天満宮総本社・北野天満宮が、SNSで異例となるコメントをアップした。

──大茅の輪のお持ち帰りは穢れを持ち帰ることになります。

NNNは神社を訪ね、苦しい胸の内を聞いた。

◆1日で大茅の輪がなくなる?

菅原道真公をまつる北野天満宮では、毎年、道真公の生誕を記念し、6月25日、さらに6月30日の2回に分けて茅の輪を設置している。しかし──

北野天満宮・権禰宜(ねぎ) 東川楠彦さん「大茅の輪を抜いて持って帰られる参拝の方が目立つようになって、1日で大茅の輪はなくなってしまう」

今年、1回目に設置された実際の「茅の輪」の様子を見ると、翌25日の開門と同時に茅をむしりとる参拝客が相次ぎ、中にはむしった茅をその場で編みお手製のミニ「茅の輪」を作る参拝客までも。当初と比べると、茅の量がわずか1日で激減しているのは明らかだ。

こうした行為について神社は、学問の神様・道真公をまつっているため「茅の輪」を「智の輪」として自宅に飾る誤った民間信仰があることが理由だとしている。

北野天満宮・権禰宜 東川楠彦さん「たくさんのお参りの方々、皆さんにくぐってもらえなくなる。Twitterなどを通じて、本来の信仰の意味を発信し理解を求めた」

◆京都市内のほかの神社も訴え…参拝客は?

さらにこうした動きは、京都市内のほかの神社でも。下御霊神社の看板には、茅は抜かないでくださいと書いてあった。北野天満宮の事例を知り、今回、初めて看板を設置。「茅の輪」の作法を明記した上で、持ち帰らないように注意を促した。

この“異例の訴え”に参拝客からは──

参拝者「伝統を知らない人が増えているので、文化やいわれだとかを引き継いでいかれたらいい」

その一方で──

参拝者「年配の方がやっていたら、持っていってもいいと思ってしまうかも」

「茅の輪」のあり方について注意を促した今回の投稿。北野天満宮は、効果がどこまであったか定かではないとしながらも、2度目の「茅の輪」の設置日となる6月30日は「茅」が抜かれることなく無事に終了したと報告。今後は、HPやちらしなどでも正しい作法を呼びかけたいとしている。

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