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危機感が…気象庁、大雨で“異例”緊急会見

2019年7月2日 23:41
危機感が…気象庁、大雨で“異例”緊急会見

九州で降り続いている記録的な大雨をうけ、2日、気象庁は異例の緊急会見を行った。大雨での緊急会見は、去年の「西日本豪雨」以来。これから九州を中心に災害が発生する恐れが高まっていて、「自分と大切な人の命を守るため」早めの避難と厳重な警戒を呼びかけた。

台風や地震などの災害以外で気象庁の緊急記者会見が行われることは、異例だ。自分の命は、自分で守ることを呼びかけた会見。今わたしたちができることについても話している。

◆主任予報官は会見で8回“早め早めの避難”を呼びかけ

記者会見は2日午後2時すぎ、以下の呼びかけから始まった。

気象庁予報部予報課 黒良龍太主任予報官「住民の方々は避難への備えを万全にし、自らの命は自らが守らなければならない状況が迫ってきていることを認識して、早めの避難を行っていただきたく、記者会見を行います」

そして主任予報官は、およそ50分間の会見中に8回も“早め早めの避難”を呼びかけた。

気象庁予報部予報課 黒良龍太主任予報官「土砂災害警戒区域などの危険な地域にお住まいの方については、早め早めに避難をすることがとても大事です」

気象庁予報部予報課 黒良龍太主任予報官「早め早めの避難!」

◆気象庁がこの緊急会見を開いた一番の理由

──あす3日、かなり命の危険が及ぶような災害が起きる可能性が高まっているということを、“早めに呼びかける”意味がある会見です。最悪の場合、3日に(九州で)西日本豪雨の時に起きた、同じような被害が起きる可能性があると。(日本テレビ気象庁担当 牧尾太知記者)

◆西日本豪雨

去年の同じ時期に発生した西日本豪雨では、西日本を中心に広い範囲で豪雨となり、広島や岡山など14府県で死者 268人(災害関連死を含む)、行方不明者9人の被害が出た。

この西日本豪雨の際も気象庁は“発災の前日”に緊急会見を行っていて、今回の大雨に対する危機感がうかがえる。

──もうすでに記録的な大雨になっていますので、あと少しのわずかな雨で大きな災害が起きることがあると思います。(日本テレビ気象庁担当 牧尾太知記者)

◆気象庁が警戒する理由

気象庁が今回の大雨を警戒する理由の1つが“梅雨前線の停滞する期間”。

西日本豪雨の際、梅雨前線が西日本や東日本に停滞した期間は“4日間”だった。ところが、今回の梅雨前線はすくなくとも“9日間”停滞し、大雨をもたらす恐れがあるという。

気象庁予報部予報課 黒良龍太主任予報官「九州に限っては、7月(西日本)豪雨より総降水量が多くなる可能性があると考えています。現時点において、熊本県と鹿児島県で(総降水量が)多くなる可能性が高い」

気象庁は、九州、特に熊本県や鹿児島県に最大限の警戒を呼びかけた。

◆今やるべきこと

また気象庁は、3日午前9時ごろから再び雨が強まるとして、それまでにやるべき以下のことを挙げている。

 ■ハザードマップを確認
 ■避難の準備をする
 ■避難場所の確認
 ■家族・地域の人と共有

命を守るための準備を呼びかける気象庁。3日午前10時に再び会見を開く予定だ。