長崎県の諫早湾干拓事業を巡る裁判で、１３日、最高裁が判決を言い渡した。諫早湾を閉め切る水門を開けるかどうかをめぐっては、長年にわたり、法廷闘争が続けられていた。最高裁は１３日、どのような判断を示したのか。

裁判所によって「開門」と「開門せず」の相反する判断の判決が確定しているが、今回の裁判は、開門を命じた判決を国が事実上の無効にするよう求めたもの。１３日の最高裁の判決によっては、ねじれた状態が解消され「開門せず」で統一される可能性があった。

１３日の判決で、最高裁は、審理を福岡高裁に差し戻す判決を言い渡した。ねじれた状態は解消されず、福岡高裁で改めて審理が行われることになる。

福岡高裁は「漁業権が消滅しているため、漁業者側の開門を求める権利も消滅した」として国の主張を認めたが、１３日の判決で最高裁は、開門を求める権利は失われていないと指摘した。

その上で時の経過などによる事情の変更により、確定判決に基づく開門の強制が権利の乱用となるかなど、更に審理を尽くさせるために福岡高裁に審理を差し戻すとした。

開門しない方向性で解決することを示唆する判決となった。