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“新型コロナ後遺症”医師向け解説書の改訂版発行 厚労省研究班

2022年4月28日 23:10

新型コロナウイルスに感染後、一部の人に見られる後遺症について、最新の知見やどのタイミングで患者に専門医への受診を勧めるのかなど詳細を解説した、医師向けの「罹患後症状のマネジメント」の改訂版を、厚生労働省の研究班が発行しました。

「新型コロナウイルス感染症診療の手引き」の別冊「罹患後症状のマネジメント」の第1版は、去年12月発行の暫定版に代わるもので、各分野の医師合わせて30人が編集・執筆協力しました。専門的な治療法ではなく、プライマリ・ケアの段階に役立つ情報を盛り込んだということです。

この中では、いわゆる後遺症について、WHO(=世界保健機関)の定義を紹介し、「少なくとも2か月以上持続し、また他の疾患による症状として説明がつかないものである。通常は発症から3か月たった時点にも見られる。回復後、新たに出現する症状と急性期から持続する症状がある。症状消失後に再度出現することもある」などと書かれています。

また、別の項では、「3か月ほどで約3分の2は回復をする」「いまだ明らかになっていないことも多い」と述べています。

具体的には、呼吸器、嗅覚・味覚、痛み、小児などの章があるほか、後遺症に対するリハビリや職場復帰支援の方法も盛り込まれています。

暫定版では一つの章だった神経症状と精神症状を別にしたほか、脱毛を含む皮膚症状の章を新たに作ったということです。

各章には、最新の知見や具体的な症例のほか、患者がどのような症状の場合に、専門医などへの受診を勧めるかが解説されています。

編集委員会の代表を務めた岡部信彦医師(川崎市健康安全研究所所長、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会メンバー)は「鑑別診断は本当に難しい」と述べ、「コロナのせいであってもなくても、きちんと我々医療者はそれを受け止めるし、患者に『そんなもん大丈夫ですよ』と言うのではなく、丁寧に説明をしていく。それによって改善が見られるのであれば、そういう方法を取るべきではないか」と述べました。

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