「移住者」増加の軽井沢 住宅地の価格が上昇 中心は“子育て世代”で児童増え 小学校の教室が不足し…
日本を代表する“避暑地”として知られる長野県の軽井沢町へ移住する人が、いま増えています。長野県全体の住宅地の価格はマイナスになるなか、軽井沢の土地価格は上昇しています。その魅力を取材しました。
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一気に気温が下がり、本格的な秋の様子となった長野県軽井沢町。別荘が立ち並ぶ、日本を代表する“避暑地”で、今年の最高気温は31.8℃(7月30日 )。猛暑日を何度も観測した東京と違い、暑さとは無縁の街です。
こうしたなか、いま軽井沢に“熱い視線”が注がれているといいます。
ショッピングモールの中に、この町ならではの施設がありました。コロナ禍にオープンした、パソコンが設置された個室が並ぶワークスペースです。
西武リアルティソリューションズ賃貸運営部 小池喜浩さん
「別荘ご利用者さまは、よく最近ご利用いただいてる傾向があると感じてます」
都内の会社に勤務するという女性が利用していました。
「平日でも、わりとこちらに来て仕事している」
都内の自宅と軽井沢の別荘を行き来しながら仕事をしているという女性。いまは“2拠点生活”ですが…
「将来的に移住を考えてみてもいいと思っていて」
実際、町によりますと、コロナ禍をきっかけに、軽井沢に移住する人が増えているといいます。
その結果起きたのが、土地の価格上昇です。長野県が公表した基準地価によりますと、軽井沢町が前年からの上昇率の上位を独占しました。県内全体ではマイナスになるなか、人気の高さを見せました。
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軽井沢への移住者の中心は、働き盛りの“子育て世代”です。
母
「魅力は、東京とは違って自然がいっぱいなのと、キジがきたり…」
娘
「キツネが、庭でゴロゴロしてた」
今年4月に都内から移住した中嶋さん一家に話を聞くと、軽井沢の魅力は、大自然と広いスペースだといいます。
母
「子供が小さいうちは、自然が多いところがいいかな。逆に東京が別荘というか、遊びに行く場所みたいな。渋滞知らずで」
軽井沢での移住生活を選ぶ人が増えるなか、教育現場では思わぬ弊害も出ています。
町内の公立小学校で、児童が向かったのは校庭に建てられたプレハブです。実は、このプレハブが教室になっているというのです。
軽井沢西部小学校 田野公章校長
「(全校生徒が)300人前後で推移してたんですけど、令和に入り、コロナになった後には、非常に多く増えている」
実はこの小学校では、5年前に比べて約70人児童が増加したため、教室が足りなくなり、プレハブを建てざるを得なかったといいます。町はクーラーなどを設置し、児童が快適に過ごせるよう配慮しているということです。