飛行機と鳥の衝突阻止へ…羽田空港“空の安全守る”バードパトロール隊に密着【every.気になる!】
日本国内で年間1500件ほど発生しているというバードストライク。今回、東京・羽田空港の空の安全を守るバードパトロール隊に密着しました。24時間体制の任務は、1日約1300回発着がある空港内で野生の鳥を追い払うこと。取材中には緊迫の場面も…。
気になる!班
「すごい迫力です」
今回、特別に取材が許されたのは、空の安全を守る「バードパトロール隊」です。
隊員
「相手は生き物なので」
その任務は、1日およそ1300回の発着がある空港内で、野生の鳥を追い払うこと。
気になる!班
「結構音でかい!うわっ!」
飛行機と鳥の衝突=バードストライクが起きれば、大事故につながる恐れもあるため、パトロールは24時間体制。銃を扱うため、保安上の理由などから顔を出さない条件で取材に応じてくれました。
隊員
「緊張しますよね。大きな事故につながったらやっぱり怖い」
先月、韓国で179人が死亡した事故では、着陸直前、鳥との衝突でエンジンに異常が起きたとみられています。日本国内でも年間1500件ほど発生しているバードストライク。取材中には緊迫の場面も。
気になる!班
「危ない!飛行機のすぐ近くを鳥が飛んでいます」
取材班は、羽田空港の立ち入り禁止エリアへ。パトロールに同行中、見つけたのは…。
気になる!班
「一面鳥だらけ、すごい数」
「橋の上、何羽も鳥が止まっています」
羽田空港は海に囲まれ緑地帯が広がるため、多くの野鳥が好む環境となっているのです。中には…。
気になる!班
「何か持っているのがいる」
魚をつかみ、空港の上空を旋回する鳥も。
隊員
「魚を捕まえて、(空港の)アスファルトで下りて食べている」
飛行機と鳥の衝突を防ぐため、空港内をくまなくパトロール。すると上空に1羽の鳥を発見。すぐさま対応にあたります。
隊員
「トビです。ちょうど危ない位置」
トビがいたのは、離陸する飛行機のルート上。
気になる!班
「鳥1羽でも危険?」
隊員
「エンジンが吸い込んだら大変。トビは猛禽類(もうきんるい)で大きい。骨格しっかりしている」
すると、撃ち始めたのは音で威嚇する空砲。これで鳥を追い払い、飛行機から遠ざけるのです。
隊員
「出ていきましたね」
さらに別の場所でも…。
隊員
「すぐ撃たないと。出発機が待ってる」
2羽のトビが上空を舞う中、その真下を離陸する飛行機が通過します。
気になる!班
「いなくならない?」
隊員
「しつこいですね」
何度も空砲で威嚇。5分ほどで追い払いました。
隊員
「パイロットの方が気をつかっていると思う。結構(出動)要請がきています」
「場所をなるべく回るようにはしている」
“空の事故を未然に防ぐため”。別のパトロール隊が行っていたのは、滑走路の点検です。
気になる!班
「あれ止まった。何か落下物があったのでしょうか」
滑走路でひろったのは、アスファルト片。小さな落下物でもパンクなどの事故につながる可能性があるといいます。
密着中、管制塔から"緊急の連絡"が入る場面も。滑走路付近で起きたのが…。
隊員
「こっち、入らないで!」
「さっきバードストライクがあって、鳥の肉片が落ちてるから鳥が集まっている」
着陸する飛行機と鳥が衝突するバードストライクが実際に発生。残骸を食べようとする鳥が群がっていたのです。
実はこの時、バードストライクを避けるため上空では3便が着陸待ちの状態に。そこで隊員が用意したのは、大きな破裂音が出るロケット花火のようなモノ。
気になる!班
「鳥が滑走路からどんどん離れていきます」
合計10本、使用したところで、「滑走路から鳥がいなくなったので、安全は確保された」と隊員は話す。
さらなるバードストライクを回避することができました。
東京空港事務所先任運航情報官・森下吉基さん
「自然相手なので難しい。現状バードパトロール方式が一番有効。縁の下の力持ちじゃないですが、パトロールしていれば離着陸を踏まえて安全に航空機が運航できる」
(1月28日放送「news every.」より)