たばこ3万5600本や“違法薬物”も…密輸阻止“最後の砦”空港税関に密着『every.気になる!』
日本に持ち込まれる物にかかる適正な税金を徴収する税関。日本の空の玄関口「羽田空港」の税関では、手荷物チェックで大量のたばこや高額ブランド品、“違法薬物”などに目を光らせる職員の姿が…
訪日外国人が過去最多のいま、密輸阻止の最前線を密着取材しました。
税関職員が話を聞いていたのは、ベトナムから来た2人の女性。
税関職員
「たばこあるんでしょ。何本あるの?」
大きなスーツケースの中に大量のたばこが入っている疑惑が─
たばこは、国内へ持ち込む際、1人200本を超えると税金がかかります。スーツケースから見つかったのは…
気になる!班
「すごい量ですね」
税関職員
「本数を確認したところ、3万5600本あります」
追加の税金は53万1000円。さらに驚きだったのが…
ベトナムから来た人
「(ベトナムの)友達から荷物を頼まれて、中身はちゃんとチェックしなかった」
持ち込まれる物にかかる適正な税金を徴収する税関。女性は税金を払えず、たばこを放棄しました。
◇
訪日外国人が過去最多の今、カメラがとらえたのは…
税関職員
「大麻反応」
違法薬物とみられるものが見つかる場面も。
タイからきた男性が持っていたのは、高級ブランドのバッグ。
税関職員
「1個の金額で20万円超えているので、これは全部税金がかかります」
海外の免税店で買った物でも20万円を超えた場合は、日本に持ちこむ際に税金がかかります。
気になる!班
「追加で支払ったのはいくら?」
タイから来た人
「7万円弱ぐらい」
税関の目をかいくぐり、税金を逃れようとする巧妙な手口も。その1つが「金の密輸」。
東京税関 羽田税関支署 日諸 渉 次長
「最近多くなってきている。これ実は粉状にした金なんですね。足の裏に1つずつ隠して持ちこもうと」
2024年6月までの(金の密輸)摘発件数は、前年1年間をすでに超えたといいます。(摘発件数・押収量は2023年、218件・268キロ。2024年1月~6月、228件・937キロ)
密輸阻止の“最後の砦”として違法薬物などにも目を光らせる税関。職員に止められていたのは、カナダから来た女性(20代)。
気になる!班
「部屋に入ってどうやら詳細を調べるようです」
聞き取りなどをする検査室へ。音声のみの取材が許されました。
税関職員
「日本に来たのは初めて?」
カナダから来た女性(20代)
「初めてです」
税関職員
「たばこは持っていますか?」
カナダから来た女性(20代)
「いいえ」
数分後、出てきた職員の手には“白い布”が。女性の荷物を拭き取ったもので、これを、薬物などを探知する検査機に入れると…警告音とともに違法薬物の反応が。
税関職員
「大麻反応」
税関職員
「陽性ですか」
税関職員
「厳重検査か」
女性が違法薬物を密輸している可能性が浮上。しかし検査室内では…
税関職員
「(大麻)反応が出たけどブツが見つからない」
税関職員
「(大麻は)どのぐらいの頻度で吸っている?」
カナダから来た女性(20代)
「いつもです」
税関職員
「日本では大麻がダメだと知っていますか?」
カナダから来た女性(20代)
「日本で禁止されていると知っています」
カナダでは大麻が合法のため、職員によると、使用した時の成分が荷物に付着していた可能性があるといいます。
税関職員
「今回は物もないですし、終了ということで」
取材中、税関職員に緊張が走る場面が…
気になる!班
「職員が集まってきました」
アメリカから来た人の荷物に「麻薬探知犬が反応した」と緊急の連絡が入ったのです。
待つこと5分。大柄の男性2人が現れました。すぐに検査室へ移動し、聞き取りがはじまりました。
税関職員
「日本に来た理由は?観光?」
アメリカから来た男性
「観光です」
その間に、違法薬物の反応がないか所持品を検査。麻薬探知犬が反応したものの、薬物反応はなく…
税関職員
「これまでに大麻などを使用したことは?」
アメリカから来た男性
「ここでは使ってない」
税関職員
「アメリカでは使っている?」
アメリカから来た男性
「はい」
税関職員
「いま持っていますか?」
アメリカから来た男性
「持っていません」
違法薬物の所持を否定する2人の男性。ただ、どこかに隠し持っている可能性があるとして…
気になる!班
「多くの税関職員に連れられ、別室へ移動していきます」
荷物をくまなく調べた結果、2人のうち1人の男性のスーツケース内に入っていたポーチから、大麻とみられるもの数グラムを発見。現在も捜査が続いています。
入国者が増える中、空港税関では取り締まりを強化していくとしています。
(10月30日「news every.」より)