「セクシー田中さん」 原作者が亡くなったこと受け小学館が調査報告書を公表
日本テレビ系列でドラマ化された「セクシー田中さん」の原作者で、漫画家の芦原妃名子さんが亡くなったことを受け、出版社の小学館が3日、調査報告書を公表しました。
漫画家の芦原妃名子さんは、小学館の漫画雑誌で連載中に日本テレビ系列でドラマ化された「セクシー田中さん」の9話・10話の脚本を自ら担当した経緯をSNSで明かすなどしたあと、今年1月、亡くなりました。
これを受け、小学館は3日、調査報告書を公表しました。
報告書では、9話以降のドラマオリジナル部分について「脚本家の起こした脚本を芦原さんが承諾できないときは芦原さん自身が脚本を書くとの要望を日本テレビは承諾しており、去年6月、これを条件とする契約が成立したと解される」としました。
一方で、契約条件は文面上、必ずしも明瞭ではなく、日本テレビ側からは異なる主張がされているとしています。
芦原さんが脚本家の交代を求めたことについては、「くり返し要請をしてもなお改変が修正されないことから、これ以上続ける時間がないと考え、交代を求めたのは妥当な判断であった」としました。
また、芦原さんの意思と日本テレビ側から提示された脚本には大きな隔たりがあったとして、「詳細プロットの改変を極力避けて欲しいとの小学館の希望が脚本家に伝わっていなかった可能性が高い」「日本テレビが、芦原さんの意向を脚本家に伝え、調整をするという役割を果たしていない可能性がある」と指摘しました。
また、最終話放送後の脚本家のSNS投稿に対し、芦原さんが反論をする際、小学館の社員が協力したことについては、「上司への相談も十分に行われていたとは評価できない」としたうえ、「SNSによる炎上は大きな問題であり、危機意識を共有し、助言を受けることができるSNSに関する専門窓口があればよかったかもしれない」としました。
小学館は、今回の調査報告をもとに、作品の映像化に関する今後の指針として、映像化許諾を検討する際は、作家の意向を第一に尊重した文書を作成して制作者側と協議、交渉することや、映像化の検討段階から正式な許諾までの各段階に適した文書を作成し、作家に逐一確認をとることなどを徹底するとしています。
報告書を受け、日本テレビは、コメントを発表しました。
「日本テレビは、本日公表された小学館の調査報告書、および当社が公表した調査報告書の内容をふまえ、漫画や小説を映像化する際、原作者をはじめ関係する全ての方々と、より一層丁寧に相談しながらドラマ制作に努めて参ります。『セクシー田中さん』の原作者である芦原妃名子さんに対し心より哀悼の意を表するとともに、ご遺族の皆さまにお悔やみ申し上げます」