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「早く起きなければ」「引っ越してきたのに…」 通勤快速廃止で… 京葉線ダイヤ改正

2024年3月18日 21:17
「早く起きなければ」「引っ越してきたのに…」 通勤快速廃止で… 京葉線ダイヤ改正

千葉と東京を結ぶJR京葉線は18日、ダイヤ改正後初めての通勤ラッシュを迎えました。平日に運行されていた「通勤快速」が廃止されたことで、乗車時間が最大20分ほど長くなり、利用者からは困惑の声が広がっています。

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18日朝、京葉線蘇我駅では…

記者(午前7時ごろ)
「みなさん、かけあがってますね」

通勤時間帯に“階段ダッシュ”が見られました。

京葉線利用者(午前7時ごろ)
「15分か20分くらい(早く出た)。ちょっと早く起きなきゃいけない」

いつも以上に、せわしない朝になったのにはワケがありました。

東京駅と千葉市にある蘇我駅を結ぶJR東日本の通勤路線「京葉線」。16日のダイヤ改正で、早朝に運行する2本の快速を除き、朝と夕方以降の時間帯の通勤快速と快速が廃止され、各駅停車に変更されました。

JR東日本は、通勤快速や快速が止まらない駅の乗車機会の拡大などを理由にあげていますが、通勤快速から各駅停車への変更により、朝だと最大15分前後、夕方だと最大20分前後、乗車時間が長くなってしまうのです。

このダイヤ改正に対し、千葉市長らは利便性の低下などを理由に強く反発していましたが、大きく覆ることはありませんでした。

通勤快速利用者
「(蘇我に)家も買ってしまって。まさかなくなるとは思わなかった」

通勤快速利用者
「通勤快速があるから蘇我に引っ越してきた。1番の目的がなくなった」

通勤通学の時間帯の”最大プラス20分”。1日平均5万人以上が利用する蘇我駅では、通勤快速があるからマイホームを購入したという人や、通勤快速があるから蘇我駅に引っ越してきたというカップルなど、廃止前から不満の声が相次ぎました。

   ◇

そして迎えたダイヤ改正後初の平日の18日朝、通勤快速があるから蘇我駅に引っ越しきたと話していたカップルの自宅を訪ねました。京葉線で東京方面に通勤する女性は、これまでより30分以上早く6時に起きましたが…

「ヨーグルトだけです。時間ないので」

髪の毛をセットするなどいろいろやることがあるため、朝食をゆっくり食べる暇もなし。手を動かしながら、通勤快速廃止へのグチがとまりません。

「蘇我のメリットってなんだろう、通勤快速以外で。蘇我に住んでいる意味がなくなった」

――そのパンは?

「会社で食べるように持って行きます」

一方、総武線ユーザーの男性も一緒に通勤するため、いつもより早く家を出ないといけなくなったのです。

「あ! もう全然時間ない!(7時)10分に出るの忘れてた」

さらに帰宅時間も遅くなるため、家事の分担も改正されることになるといいます。

女性
「ごはん私が作っているので(ダイヤ改正で)帰りが遅いと、おなかぺこぺこで待つことになる感じ」

男性
「家事の分担の見直しだよね」

暮らしに大きく影響を及ぼす通勤快速廃止。ほかにも蘇我駅で話を聞くと…

京葉線利用者(午前7時ごろ)
「娘が大学に行くので、東京の方に行くのに京葉線使ってるんですよ。すごく娘にとっては大打撃だと」

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快速本数が減る東京ディズニーリゾートのある舞浜駅では、快速の本数が減ったためか、各駅停車がいつもより混雑していたといいます。

大学生(午前10時ごろ)
「遠く感じました」
「普段座れる駅から乗っても座れない」

さらに、帰りも時間がかかると尋ねると…

大学生(午前10時ごろ)
「いやだーー! 早く帰りたーい!」

会社員(午前10時ごろ)
「やっぱりパークで思い切り遊んでくるので、そこらへんもなかなかですね」

  ◇

そして千葉市の不動産業者が懸念していたのは、京葉線沿いの地価の下落です。

小副川工務店・千葉店 秋元正宏店長(18日)
「通勤快速がなくなることによる土地の値段の影響は多いのかも」

千葉市は今後ダイヤ改正の影響などを利用者に聞くアンケートを実施し、引き続きダイヤの見直しを求める一方、JR東日本は来年のダイヤ改正を待たず、何ができるか検討したいとしています。