アイデアはどう生まれる?「脳より先に口」
世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見をうかがう「opinions」。今回のテーマは「アイデアはどこでひらめく?」。おもちゃクリエーターで株式会社ウサギ代表の高橋晋平氏に話を聞いた。
ペンタブレットメーカー「ワコム」が「ひらめきの瞬間」を調査した。
「どんな場所でアイデアがひらめくか」については…
眠る前・ベッドやふとん(38.1%)
歩いているとき(30.0%)
お風呂やシャワー中(25.3%)
の順になった。
また、アイデアが浮かばないときはどうする?の問いには…
年代別に
20代は「別のことをする」
30代は「思いついたことをたくさん書く」
40代は「寝る」
50代は「別のことをする」
との回答が多数派となった。
「アイデアを生み出す」ことについて、ネット上では…
「アイデア出ないと沼の底に沈んでいく感覚に」
「常日頃から思い付きのストックを貯めている」
「アイデアって急におりてくるんだよなあ」
などのような意見があった。
――高橋さんのご意見をうかがいます。まずはフリップをお願いします。
「脳より先に口が言う」です。
これは私自身が思っていることです。さっき、急におりてくるというワードもあったかと思いますが、やはりひらめくときは、必ず人はリラックスしている状態であることが多くて、緊張というのがアイデア出しの大敵なんです。
でも、普段、会社にいると、やはり緊張することは多いですよね。でも、そういうふうにして緊張しながら色々なことを考えたり、インプットしたりしている中で、「フッと」とリラックスしたときに、ひらめくということは起きます。
僕の場合は、それが話しやすい人と話しているときに一番起きています。それは、長年の経験からわかっていて、何か雑談をペラペラ話しているときに「気づいたら、口が言っていた」ということがすごく多いんです。
自分が話していて「こういうのってあるかもしれないよね」みたいなことを言っていたら、なんかすごくいいアイデアを言っていて「それだ、それだ」みたいなことで、それを書き留めたりします。
さっきあったような、どんどん書き出していくというのが、リラックスするアウトプットの仕方である人もいるだろうし、あるいは、散歩しているときに思いつくみたいなものも、そうかもしれないです。やはり自分に合った「リラックスする瞬間」と「思いつく瞬間」というのを見つけておくというのが大事だと思います。
――高橋さんのまわりの方は、高橋さんの様々なアイデアが聞けて楽しいですよね。
そんなことはないと思いますが、僕は勝手にベラベラ話して気持ちよくさせてくれるように相づちを打ってくれたりしたら、1番出るというか、すごくわがままなんですが。
――相手が意見を言っては駄目なんですか?
僕は、意見を言われるとやはり緊張してしまうので、とにかくニコニコ聞いてくれる人を確保しておくということをやっています。
――私は逆にアイデアを言って、意見を求めてさらに自分の意見が確立していくようなところもあるのですが…。
そういうタイプもいますよね。自分のタイプをわかるというのがすごく大事です。
――さらにそれが、いかにリラックスした状態で生まれるかというところがポイントになってきますか。
緊張しないという時間をとることはとても大事だと思います。
――そして自然に「脳より先に口が言う」状況が生まれると、アイデアがひらめいてくるということですね。
■高橋晋平氏プロフィル
おもちゃクリエーターとして、おもちゃ、ゲーム、遊びの開発を行っている。梱包材のプチプチを潰す感覚をいつでも味わえる玩具「∞(むげん)プチプチ」をはじめ「アンガーマネジメントゲーム」「OQTA」「お笑いノート」「気泡わり専用アラビックヤマト」など、これまでに約50種類のおもちゃ作りに携わってきた。高橋氏は大学卒業後10年間、大手メーカーでバラエティ玩具の企画開発・マーケティングに従事。2014年に独立。日夜、面白いものごとを作っている。
【the SOCIAL opinionsより】