学校に行かない子供たちが通う「ナゼラボ」 学校でも家でもない「第三の居場所」が好奇心を育てる
埼玉県横瀬町の小学生池田陽樹くん(11)。3年前まで東京都内の小学校に通っていましたが、次第に学校に違和感を覚えるようになりました。
池田陽樹くん「嫌って言うか、やり方が違うなって思った。算数とかで、考える時間がもう少しほしかった感じがした」
授業のスタイルが合わないストレスなどもあり、学校へ行けなくなった陽樹くん。そうした中、出会ったのが横瀬町に去年、誕生した「ナゼラボ」でした。ここは、学校へ行かないことを選んだ子どもたちが集まり、学ぶことができる「第三の居場所」。東京工業大学で、地球惑星科学を専攻した研究者の舘野繁彦さんが立ち上げ、子どもたちに興味のあることを自ら見つけてもらうことがコンセプトです。
池田陽樹くん「あ、これだなと思った」
陽樹くんの直感を信じ、家族は横瀬町へ移住しました。
陽樹くんの母・満亀子さん「あれだけ朝起きれなかった人が、自分で起きて準備して行ってきますって。子どもが行ってきますって行って、ただいまって帰ってくることって、当たり前じゃないんだなって」
「ナゼラボ」でいきいきと活動する陽樹くん。この日はリュックサックを背負って森へ。子どもたちはテントを張り、周辺を探検したり植物を観察したりして過ごしました。その後は近くを流れる川へ。陽樹くんは水切りがとても得意。水切りのコツは回転なのだといいます。こうした体験が学びの種になり、陽樹くんがいま一番興味を持っているのは…。
池田陽樹くん「コマと分子構造かな」
コマなどの回転するものです。ナゼラボに戻ると、コマの魅力を広く伝えるため、スライドを作る陽樹くんを舘野さんがサポート。コマに詳しい東京工業大学の物理学者も陽樹くんに紹介しました。
ナゼラボ・舘野繁彦さん「公立の小中学校にフィットしない子どもたちの居場所が必要だと思うし、選択肢の1つとしてあったほうがいいと思う。1つ夢中になるものを見つけてほしい。研究者は自分が好きな探究活動をしていて、ものすごく楽しい。そういう人たちだけど、夢中になっている人って輝いてるなと」
子どもたちのスタイルで好奇心を育てられる「ナゼラボ」。こうした新しい選択肢が増えてきています。