野生化した“クジャク” 大繁殖し被害が…
色鮮やかで美しいクジャクが、南国の宮古島で市民を悩ませている。野生化したクジャクが大繁殖し、畑が荒らされる被害が相次いでいるという。
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沖縄県の宮古島市。豊かな自然の中に作られたゴルフ場で私たちが目撃したのは、10羽以上のクジャクの群れ。場内のいたるところに群れで現れ、見つかるとすばやく姿をくらます。
今、宮古島市では、クジャクの異常な繁殖が起きている。今年度のインドクジャクの捕獲数は、すでに過去最高を記録した去年を更新する371羽。
繁殖した要因は、10年以上前にペットとして持ち込まれたクジャクが、台風の被害などで小屋から逃げ出した事だとみられている。
宮古島市では近年、クジャクによる農産物を食い荒らす被害が寄せられていて、環境省は、積極的に防除を行う必要がある緊急対策外来種に指定している。
宮古島市で生産が盛んな日本そばの農家に話を聞いた。
宮古島穀物生産組合・新里五尾組合長「(クジャクが)飛んできて下りて、歩いてまわるものですから、(そばの芽を)踏みつける被害が多いですね。ぺたっとなっちゃうもんだから、機械で修復できない」
クジャクに踏まれたそばの芽は出荷できず、収穫が3割減った農家もいるという。
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許可を得れば捕獲する事ができるが、逃げ足の速さはなかなかのもの。
どのように捕獲するのだろうか。私たちは猟友会の人々と共に森の中へ入った。
猟友会・砂川秀夫さん「ほとんどグループで5~6羽ぐらいで(動く)。食べ終わったらすぐ上に飛んで、ねぐらに帰っていく」
木の上で油断しているところを撃ち落とすという。
歩き始めて1時間半、足跡を発見した。周辺には、クジャクの羽根も落ちていた。
警戒心が強いため、私たちはクジャクにさとられぬよう、猟師から離れて撮影。すると数分後、森の中に鳴り響く猟師の怒声。1羽のメスクジャクを仕留めた。
トサカを持ち帰り、市に捕獲の報告をするという。
猟友会・砂川秀夫さん「数自体も増えてるし、全然、自分たちが捕っても間引きにしかならない」
クジャクの増加を受け、市は“新たな対策”に乗り出した。
宮古島市生活環境部環境衛生課・守武大課長補佐「今年は新たにワナをもっている方にも(捕獲の)許可を与えています」
猟銃の資格を持たない一部の人々にも捕獲を解禁した。
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この厄介者のクジャクを使い、地元では、意外な活用法が登場。クジャクのご当地グルメを開発した。
猟友会・砂川秀夫さん「命を頂いたんですから、ちゃんと頂いてあげないと」
レパートリーが次々と考案され、レストランの目玉となっている。
さらに、東京都内にも広がりをみせている。
「火の鳥鍋です」
クジャク肉を使った、その名も「火の鳥鍋」。宮古島産を中心に、クジャクを今年初めてメニューに取り入れ、しゃぶしゃぶでいただく。
近年は、下処理の技術も発達し、獣臭さなどはほとんどないという。
米とサーカス・石井翔店長「かめばかむほど味が出てくる。週に2~3件は(予約が)入ってます」
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宮古島市は、捕獲者を増やし、30年後までにクジャクの根絶を目指している。