北海道ベースボールリーグは地域に根付くか
世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見をうかがう「opinions」。今回のテーマは「北海道ベースボールリーグ 地域に根付くか?」。2016年に北海道ベースボールアカデミーを設立し、2020年に独立リーグの運営を予定している出合祐太氏に話を聞いた。
2020年春、北海道を活動の地域とした野球の独立リーグ「北海道ベースボールリーグ」がスタートします。まずは、富良野市と美唄市の2地域2球団でスタート。そして2025年に4地域6球団、2030年には6地域8球団のリーグにする予定となっています。
北海道地域活性化プロジェクトとして準備しており、選手は3食付きの全寮制。農業や観光業などに従事しながら、野球に取り組みます。受け入れ地域にとっては、若者の移住促進、人材不足解消などの利点があります。
ネット上では、
「北海道が盛り上がるといいな」
「独立リーグのチームは多いほうがいい」
「ある程度のレベルは期待したい」
などの声がありました。この話題について出合さんのご意見を伺います。
――まずはフリップをお願いします。
「ニーズとニーズのマッチング」と書きました。
これは選手が望んでいる、野球をする環境もしくはそのチャンスだとか指導だとかの本人たちが望んでいるニーズと、地域のニーズ、例えば人手不足の解消ですとか、地域の活性化、また空き家対策、施設の利用だとかそういったニーズのマッチングで成り立っているリーグです。
――この“マッチング”がキーになってくると思うのですが、私は四国の地方局にいたことがあり、独立リーグを見てきたなかで、なかなか運営大変だなあという印象がありました。その点、何か気をつけていることなどはありますか。
私たちがこれから行う北海道のリーグは持続可能な形でなければならないと考えています。これまでのプロリーグのような、例えばスポンサーさんありきという形ではなくて、選手にとってのニーズと地域にとってのニーズを合わせた形であれば持続可能ではないかと考えています。
――なるほど。大きなスポンサーをドンと持つのではなくて、地域の方々に協力していただくということなのですね。
はい。
――その中で、最も出合さんが気をつけてらっしゃるポイントって何かありますか。
地域の中での人手不足です。例えば農業だとか、もしくは観光業だというところに対して、私たちの方でできることとして選手を派遣してそこでの活性化という部分は非常に大事にしています。できるだけ地域との距離感というものを短くしたいし、密接な関係でいたいと考えております。
――なるほど。独立リーグということでこれから何球団かできていくと先ほどもありましたが、どんどんできていくわけですよね。
今、予定としているのが2021年には2つの球団が増えまして4球団になりますし、2025年までには6球団というところまでの見通しはできています。
――北海道の方の声ってどうですか。
私たちの拠点となる富良野市と美唄市の皆さんにとっては非常にありがたいことに、「頑張ってくれ」とか、「若者がこれからたくさん地域に入ることが非常にうれしいことだ」と言っていただいています。なので、ぜひその期待に応えたいなというふうに思っています。
■出合祐太氏プロフィル
北海道ベースボールアカデミー代表。北海道富良野でベーカリーを経営。並行して、働きながらプロ野球選手を目指す人のため、「北海道ベースボールアカデミー」を運営している。出合さんは、20代で青年海外協力隊として西アフリカのブルキナファソに行き、野球の普及活動に従事。帰国後、普及活動を継続するためにNGO団体を設立し、これまで2人の日本の独立リーグ選手を輩出した。その実績をもとに2016年に北海道ベースボールアカデミーを設立。2020年には独立リーグの運営も予定している。地域を盛り上げながら選手の夢を実現する場を作り続けている。
【the SOCIAL opinionsより】