「おぼれちゃう!」川遊びの危険な瞬間 川は海の3倍以上…“子どもの水難事故” 防ぐには?
暑さと共に「水の事故」が相次いでいて注意が必要です。今月2日には、東京都あきる野市の川で“あわや水難事故”となる瞬間が撮影されました。中学生以下の子どもが死亡・行方不明となった水難事故の割合は、海よりも川の方が3倍以上多いといいます。水の事故を防ぐために、大人ができることとは?
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群馬県の伊勢崎市で25日、暑さに慣れているはずの住民が驚いていたのは、最高気温が40℃に迫る39.5℃を記録したことです。再びやってきた“災害級”の暑さに、「人間が住めない気温ですよね」と話す人も。
東京都心は2日連続で猛暑日に。25日の最高気温は36.6℃でした。台東区では午後2時ごろ、長~い行列ができていました。
行列に並ぶ人
「日傘さしてても蒸し風呂みたいで、汗がとまらないです」
それでも行列に並んで食べたいひんやりグルメが、フルーツをふんだんに使った「ひみつ堂」のかき氷です。
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神奈川県茅ヶ崎市にある「サザンビーチちがさき海水浴場」は、多くの人でにぎわっていました。先週から増えていたのが、ライフジャケットをつけた子どもの姿です。
母親
「危ないので(ニュースで)最近、流されたりとか、そういうの危険なので」
夏休みに入り、全国各地で子どもの水難事故が相次いでいることなどから、サザンビーチちがさき海水浴場では、ライフジャケットの貸出数が増加しているというのです。
水難事故が起きないよう監視していたのは、ライフセーバーです。すると…。
ライフセーバー
「あそこに浮輪だけ、ちょっとエリア外に流されちゃった。あれをお客さんが取りに行ってしまうと…」
浮輪が、遊泳禁止エリアに流されてしまったのです。浮輪を海水浴客が取りに行くと事故につながりかねないため、ライフセーバーがすぐに浮輪を回収。持ち主に返却し、事故を未然に防いでいました。
さらに「防波堤からの飛び込みは大変危険です」というアナウンスも。防波堤から飛び込もうとする男性らを注意していました。
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子どもたちを襲う水難事故は川でも起きています。警察庁によると、中学生以下の子どもが死亡・行方不明となった水難事故の割合は、海よりも川の方が3倍以上多いというのです。(河川53.8% 海15.4% 用水路15.4% 湖沼池11.5%など。出典:警察庁「水難の概況2022」)
今月2日、東京都あきる野市の川で、“あわや水難事故”となる瞬間が撮影されました。
手前に映っている親子連れとは別に、奥には女の子の姿が映っていました。すると「待って、だめ! 行かないで! おぼれちゃう!」という叫び声が。女の子が川に流されていったのです。近くにいた男性が慌てて駆け寄り、女の子を救助しました。
撮影したのは救助した男性の妻で、「あ~びっくりした」と思わず声をもらしていました。
撮影者
「奥に行くと急に流れが速くなっていて、深さも大人の胸くらい」
映像をもう一度よく見てみると、走りだした女の子の体が急にガクンと沈むのが確認できます。
撮影者
「(女の子は)流されていくサンダルに夢中になっちゃって」
流された女の子の少し先の川面には、サンダルが流れていました。サンダルを追いかけ始めた時は、川の水は膝下あたりでしたが、足をとられ、体全体が水につかり、流されてしまったのです。
今回救助した場所は大人が立てる場所でしたが、水難学会の斎藤秀俊理事によると「水深がさらに深い場合は事故につながる可能性があるため、遊ぶ前に親子で、水深を確認することが重要。膝上となる場所では遊ばずに、子どもに手が届く距離で見守ることが必要」だということです。