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【#みんなのギモン】なぜ相次ぐ?川遊びの死亡事故 「川底はアリ地獄」“見えない危険”から身を守る4つのポイント

2023年7月11日 23:00
【#みんなのギモン】なぜ相次ぐ?川遊びの死亡事故 「川底はアリ地獄」“見えない危険”から身を守る4つのポイント

7月3日、埼玉県長瀞町で19歳の大学生とみられる男性が川に流されました。また、大分県佐伯市の川では、友人と泳いでいた男子中学生が意識不明の状態で病院に搬送されましたが、その後、死亡が確認されました。この時期に多い川の事故。なぜ、事故は相次ぐのでしょうか?専門家は、川に潜む“見えない危険”が4つあると指摘してます。(報道局 調査報道班 及川光昭)

話を聞いたのは、水の事故を調査する水難学会の斎藤秀俊理事です。暑い日が続くこの時期、冷たい川があると“ある心理”が働いてしまうといいます。

水難学会 斎藤秀俊理事
「目の前に冷たい川があると、気持ちよくなりたいという心理から、“深さ”を忘れて飛び込んでしまうんですね。もし入ったら命を落とすかもしれないという危機感を忘れてしまうんです。川が『おいで』と呼んでいる。我々は“おいでおいで現象”と呼んでいます」

専門家の調査によると、これまで大きな水難事故のほとんどが“ 水に入った瞬間”だといいます。大切なのは、すぐに川に飛び込まず、まずは“深さを確認する”ことだといいます。

さらに…

「川の流れがプールのように穏やかで、ゆっくり流れるところほど、実は川は深くなっているので危険です。一見、プールのように見えるからと飛び込んだら、実際は足がつかなくて溺れることがあります」

■危険① “水の屈折”で川底が浅く見える

川に潜む危険。専門家は、大きく分けて4つのポイントがあるといいます。まず、1つ目は「水の屈折」だといいます。

水難学会 斎藤理事
「岩が多い川では、水が透き通っていて川底までよく見えるんですよ。一見、川底が大きく見えるため浅く見えますが、これは目の錯覚なんです。実際に岩の上から飛び込んだら、見た目よりも深くなっているので大変危険です」

透明度が高い川では、水の屈折によって実際の深さよりも浅く見えてしまうといいます。

■危険②砂利の斜面が崩れ、歩いても戻れない“アリ地獄”

2つ目は「地形」です。川底には、“見えない危険”が潜んでいるといいます。

水難学会 斎藤理事
「河原が岩か、砂利かによって危険なポイントが変わってきます。例えば、砂利の場合は“斜面”に注意が必要です。川底が砂利のところは斜面になっていて、だんだんと深くなっているんです。この斜面の砂利というのは、そもそも傾いたら崩れてしまうギリギリで止まっていて不安定な状態です。例えば、途中で深くなっていることに気づいて川岸に戻ろうとしても、砂利がどんどん崩れてしまうんです。一生懸命、足で蹴って、何とか戻ろうとしても、砂利が崩れるので戻れない。アリ地獄に入っちゃった感じです。アリ地獄そのものです」

足の力では斜面を歩くことが出来なくなり…たった一歩、川に流されただけで足の届かない深みにはまり、沈水してしまうといいます。

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■危険③ “循環流”という見えないキケン
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