深さ見誤る? “思わぬ水の事故”に注意 「浮いて待つ」…溺れた時に命を守る行動は
これからのシーズン、“思わぬ水の事故”に注意が必要です。水難学会によると、調べたケースの多くが「深さを見誤った」ことが原因で起きたといいます。なぜ見誤ってしまうのでしょうか。そして、実際に溺れたときはどんな行動を取ればいいのでしょうか。
有働由美子キャスター
「さて、これからのシーズン気をつけなければいけないのが、“思わぬ水の事故”です。19日もダイバーが行方不明になったこともありましたが、過去5年間の7~8月を見てみると、警察が把握しているだけで、毎年600人ほどが事故にあっていて、去年は225人と実に4割近い方が亡くなっています」
「海や川で遊ぶときに事故に遭わないために必要なもの、そして万が一事故に遭った場合どうすればいいのか、小野さんお願いします」
小野高弘・日本テレビ解説委員
「『水難学会』の斎藤秀俊理事に話を聞いてみました。そうしたら、学会が調べた20件の内の19件が『深さを見誤ったことが原因だった』といいます。どういうことなのか」
「紙コップの中に10円玉を入れて、斜め上から見ると、コップの縁が邪魔になってコップの底の10円玉が見えなくなります。ただ、片方にだけ水を注ぐと…」
有働キャスター
「あ、見えてきた」
小野解説委員
「水の屈折によって水の中のものが大きく見える現象です。水を入れた方のコップは光の屈折で見えていますが、実はもっと深い(底の)ところにあります」
有働キャスター
「“入る前に『川の底が浅いかな』と思って入ったら、実際はすごく深かった…”ということがあるということですね」
小野解説委員
「そういうことです。川底なども(光の屈折で実際より)約3割浅く・近く見えてしまうために、溺れないためには不用意に水に入らないことが大事。入る場合でもライフジャケットを着る、ペットボトルなど“浮力になるもの”を近くに置いておくといった準備が大切です」
有働キャスター
「なるほど。ただ、もし水の中で事故に遭ってしまった場合どうすればいいのか…」
小野解説委員
「とにかく覚えておかないといけないのが、『浮いて待つ』ことです。意識すべきポイントが3つあります。1つ目は『手足をばたつかせない』ことです。2つ目が『靴や服を脱がない』こと。そして、3つ目が『声を出さない』ことです。身につけている物は浮力になるので脱がない方がいいんです。また、『助けて』など声を出してしまうと、声を出した瞬間に肺の空気が抜けてしまいます。すると、さらに沈んでしまうので静かに救助を待つことが大事です」
有働キャスター
「落合さん、お子さんと水辺に遊びに行くことは?」
落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「ありますね。例えば釣りに行くとかだと、子どもが釣りに行くときはライフジャケットは用意してもらっていますし、自分でも2つくらいもっていますが、水辺のレジャーだとライフジャケット持って行った方がいいと思います」
■「水の事故」を見かけたら…できることは?
有働キャスター
「そういう準備をしっかりしていただきたいと思いますけど、もし私が溺れている人、あるいは事故を見かけたときにはどう対応したらいいのでしょうか」
小野解説委員
「これは自分が危険になってしまいますので、『慌てて飛び込まない』、そして『119番など緊急通報』をお願いします。その上で『ペットボトルなど身の回りの浮力になりそうなものを投げ入れる』『浮いて待って』と叫ぶことが大切です」
有働キャスター
「これからのシーズン、水の事故に遭わない、そして命を守るためにこれらのことをぜひ覚えておいてください」
(6月20日放送『news zero』より)