川が“蛍光グリーン”に… 原因は入浴剤などの「発色剤」 川に投棄か 奈良・生駒市
奈良県生駒市を流れる川が蛍光グリーンに変色していた問題で、原因は入浴剤や蛍光マーカーなどに使用される発色剤だったことが判明しました。
◇
一面、蛍光グリーンに染まった奈良県生駒市の川。5日、鮮やかな緑色に変色しているのが見つかりました。異変が起きていたのは、生駒市内を流れる竜田川とその上流にあるモチ川です。約5キロにわたり、緑色に染まっていました。
一夜明けた6日、川の様子を見に行くと、きれいで透き通った水が流れていました。川の底がくっきりと見え、緑色に染まっていた痕跡は残っていません。元の状態に戻っていました。
◇
突然起きた川の変色。一体、何が起きていたのでしょうか。5日に上流で撮影された写真には、壁面に赤い粉末状のものが付着している様子が写っていました。そこに水をかけると壁面が緑色に変色。実際に、壁に水をかけて清掃すると、緑の水が川に流れ出していました。
水をかけると緑に変わる“赤い粉”。奈良県が、川の水を分析したところ、「フルオレセインナトリウム」という物質が検出されたのです。どのような物質なのでしょうか? 薬品に詳しい専門家に聞きました。
都留文科大学 山田暢司客員教授
「よく知られているところで蛍光ラインマーカーですとか、お風呂に入れる入浴剤の着色剤」
入浴剤や文房具など、身近なものに使われているといいます。さらに…
都留文科大学 山田暢司客員教授
「耳かき一杯のフルオレセインでも、風呂なんか真緑になっちゃう」
実際にビーカーの水に「フルオレセインナトリウム」を入れてみると、透明だった水が鮮やかな緑色になりました。わずかな量の粉末を入れただけで、水が一瞬にして変色しました。
◇
一方、気になるのは、その安全性です。
都留文科大学 山田暢司客員教授
「吸引したり飲み込んだりしなければ、安全であるという判断ができる」
人の体には、害はないといいます。
奈良県などは、6日に川の水の安全性に問題がないことを確認しました。警察は、何者かが川に粉末を投げ入れたとみて調べています。