富山一高 サッカー優勝イレブンの歩む道
「シュート!富山一高リード!」
高校サッカー史に残る、後半42分からの逆転劇。あれから、5年。クロスロード、優勝メンバーはどんな人生を。それぞれに訪れる、岐路…。
本田圭佑も所属したロシアのCSKAモスクワで活躍する西村拓真選手。
「指令車異常なし!」
ゴールを守った田子真太郎さんは、消防士として地域の安全を守っています。
大会得点王となった、渡辺仁史朗さんは、カフェバーで働いていました。ボールはもう蹴っていません。
山崎俊さんはモデルとして活躍。
実況「お父さん、父を日本一にしたい。そう、大塚翔は話しました。祈る父一朗!」
決勝戦でPKを決めた、キャプテンの大塚翔さん。
実況「富山一高同点!」
高校卒業後、強豪関西学院大学で、サッカーを続ける道を選びましたが、待っていたのは、周りからの過大な評価。
大塚さん「全てのプレーをうまく…しなきゃいけないみたいな、プレッシャーがとにかくあったんで」
大学での4年間、1試合も出場することはできませんでした。一度は就職活動を行いましたが…。
大塚さん「学内(就職)説明会へ行ったときに、なんか違うなって思って。やっぱりサッカーに携わることをしたいと素直に思ったんで」
夢が叶い、沖縄のプロチーム、J3・FC琉球へ入団。
大塚さん「想像通り厳しい世界で、もっともっと、成長していかなければいけないと思います」
プロとはいえ、収入は大卒の初任給以下。食事は自炊が基本です。あの優勝シーンが人々の記憶から、離れることはありません。
FC琉球の同期選手「親子だったし、そういうエピソードもあって。俺だって見てましたもん。テレビで」
大塚さん「これ全員言うんだけど」
試練の日々を過ごしました。
あの日、ベンチのさらに後ろから声援を送り続けていた齋藤侑志さんは次こそ表舞台に立ちたいと俳優の道を選びました。
齋藤さん「実際試合出てない俺らからしたら、実感そこまでわかない。そんときはめちゃ悔しかったんですけど、その気持ちも糧にもう1回ちょっとやりたいことやろうかなっていうのが…」
齋藤さん「すいません、あと15分で目黒って無理ですか?」
レッスンの講師「だからね!あー絶対間に合わないっていうのと、すいません!って身を乗り出しなさい!声が出ないんだったら!」
俳優としての収入はまだありません。居酒屋のアルバイトで、ひとり暮らしの生活費と、月に1万円を超えるレッスン料をまかないます。この日のオーディションには、約60人が参加しました。
齋藤さん「もしもし、お疲れ様です」
所属事務所の社長「あの結果出たんだけど…。ごめんバラシ」
齋藤さん「わかりました」
所属事務所の社長「ダメだった」
齋藤さん「そんな簡単じゃないぞっていうのを知れただけで、いい経験でした」
優勝メンバーには、輝かしい未来が約束されているように思えました。
若者たちよ、自分の信じた道を―。クロスロード。
※2019年1月、北日本放送で制作したものをリメイク
【the SOCIAL×NNNドキュメントより】