【国際女性デー】生理痛、我慢してない? 痛くなったら気にしてほしいコト
多くの女性を悩ませる、生理に関するあれこれ。今回は生理痛について、対処法や付き合い方などを、丸の内の森レディースクリニックの宋美玄院長に話を聞きました。
■これって生理痛?
──生理痛ってよく聞くけれど、具体的には何を指すの?
生理痛は下腹部や腰、背中の痛み、嘔吐や下痢などがあげられ、人によって症状は様々です。基本的に生理が来ているときに起きた不調による痛みは「生理痛」といえると思います。そしてそれがひどい場合は「月経困難症」として医学的に2種類に分けられます。
▽機能性月経困難症
子宮の病気などではなく、本来の機能を果たしていて起こるものです。未成年で子宮が未熟な中、ホルモンが活性化されたり、出血量が多かったりすることで痛みが生じます。20歳を過ぎると落ち着くことが多いです。
▽器質性月経困難症
子宮筋腫や子宮内膜症など、子宮や卵巣などに病変がある場合です。加齢とともに増加し、20~30代で悪化することがあります。
いずれも自分で見分けることは困難です。日常生活に支障が出るほどの痛みがある場合は、どちらも治療の対象になるので産婦人科を受診することをおすすめします。
──おなかが痛いときはどうしたらいいの?
まずは無理せず痛みを抑えてあげることが大事です。
▽痛み止めを飲む
薬を飲むのを我慢する人もいますが、無理をするのはよくないです。市販のものでかまわないので痛み止めを飲んでください。痛みを我慢できなくなってから飲むと、効き目を感じるまで時間がかかってしまいます。生理が来た時点で、痛みを感じる前に飲むのも一つの方法です。
▽温めるより根本治療を
よく「おなかを温める」という人がいますが、一時的に緩和されても根本的な痛みを取り除くことはできません。薬のほか、受診して根本的な痛みを取り除く方法を医師に相談することも大事です。
──生理痛はいつものことだし…
生理痛は何かの病気のサインのこともあります。
▽進行する病気
痛みがある場合、子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症などの病気が進行している可能性もあります。チョコレート嚢胞というものが形成され、ほかの臓器との癒着が起こり、痛みがひどくなることもあり、放っておくと妊娠しにくくなることもあります。痛みの強弱にかかわらず受診することをおすすめします。
──生理痛がひどくて休みたいけど職場などで言いにくい…
男性もいる環境ではなかなか言いにくいこともあるかもしれませんが、女性ならだれもが関係ある生理のことは知ってもらうのがいいと思います。子宮や排卵の仕組みを知れば、生理痛がわがままや甘えじゃない、体の仕組みとして起こることだということが理解できると思います。性別関係なく理解を深めることも大事です。
──痛いのはしようがないですよね
生理は本来痛くないものです。人によっては痛みを感じる場合がありますが、「よくあることだからたいしたことない」などと考えて、その痛みを軽んじてはいけません。
▽低用量ピルなどでの治療
月経困難症の場合、保険診療で低用量ピルや黄体ホルモン剤などの処方を受けられることがあります。低用量ピルは服用すると排卵を抑制でき、子宮内膜が増えるのを防ぎ経血の量を減らす、痛みを和らげる効果などがあります。低用量ピルは血栓症のリスクもあるため、なるべく対面で診療を受け、適切な処方につなげることも重要です。また、低用量ピルが使えない人は他のホルモン剤が使える場合があるので、相談してみてください。
生理に関する悩みは多くの人が経験するものです。病気を見逃さない、自分の生活をより豊かなものにするためにも、痛み、異変を見過ごさず、受診や相談をすることが大切です。