「後悔している」……6年ぶりの検診で早期発見 子宮けいがん定期検診に「行ってほしい」
6年ぶりにたまたま受けた検診で変異が見つかった、タレントの休井美郷さん(32)。子宮けいがんの一歩手前だと診断され、手術を受けました。手術は無事終了したものの、忙しさを理由に検診へ行かなかったことを後悔していて、“検診に行ってほしい”と話しました。
■6年ぶりに受けた検診……がんの一歩手前で早期発見 手術へ
6月のこの日、タレントの休井美郷さん(32)は、緊張した面持ちで都内のクリニックへ向かいました。
タレント 休井美郷さん(32)
「進行を遅らせる方法がないから、手術の日が本当に早く来てほしくて。待ちに待った日みたいな感じです」
今年4月、子宮の入り口に異変がみつかり、その後「高度異形成」、つまり子宮けいがんの一歩手前だと診断された、休井さん。
きっかけは、6年ぶりに、たまたま受けた検診でした。
休井さん
「時間がとれないとか忙しいというのを理由に、全然(検診に)行ってなかった。まさかそんな結果で返ってくると思ってなかったので、ぽかーんって感じでした」
主に性交渉でヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することが原因とされる、子宮けいがん。このウイルスは性別に関係なく誰でも感染する可能性があるもので、女性の場合、感染すると一部の人が子宮けいがんを発症、毎年国内でおよそ2900人が亡くなっています。
今年6月、休井さんは「高度異形成」手術を受けました。手術は20分ほどで終了しました。
「いま麻酔からさめた感じです」
全身麻酔で眠っている間に、子宮の入り口付近の「病変」があった部分をレーザーで焼いたといいます。
早期に見つかったため、子宮の摘出はしなかったということです。
手術からおよそ5時間後――。
休井さん
「お疲れさまでした。ちょっとまだ眠いかなって感じです。お腹は、生理痛みたいな痛みが……」
子宮けいがんにならないため、私たちにできる予防の1つが、HPVワクチンの接種です。小学6年生から高校1年生の女子は、無料で接種をすることができます。
【※HPVワクチン無料接種:小学6年生~高校1年生相当。再来年3月までは、今年度26歳になる女性まで対象】
国立がん研究センター がん対策研究所の片野田耕太氏は、子宮けいがんについて“感染してから、がんになるまでに10年以上かかるため、定期的な検診を受けることで早期に異変を見つけ、がんになる前の段階で治療につなげることができる”と説明します。
■「本当に後悔している」 少しでも“行こうかな”と思ったら検診へ
6年間、検診を受けてこなかったことについて、後悔しているという休井さん。
休井さん
「本当に、本当に後悔しています。早くしておけば良かったなって。私よりお母さんのほうがめいってしまっていて、そのときに本当に“自分だけの体じゃないな”って。“行こうかな”って、ちょっとでも頭によぎったときに、(検診に)行ってほしいです」
主に性交渉によるウイルス感染が原因とされる、子宮けいがん。「“女性だけの病気”と思いこまず、誰もが関係するものだと知ってほしい」と休井さんは語ります。
休井さん
「(子宮けいがんは)将来に関わってくる病気だとわかってほしいので、男女問わず、みんなで(ワクチンや検診について)お話できる機会がもっと増えればいいなと思います」
子宮けいがんの予防について、「news zero」水曜日のパートナーの辻愛沙子さんに聞きました。
中島芽生キャスター
「辻さんは、どう考えますか」
辻愛沙子・クリエイティブディレクター(『news zero』パートナー)
「子宮けいがんは事前に防げる選択肢がある数少ないがんですよね。いま無料で接種できる26歳の方まではもちろん、それ以上の年齢の方も遅いと思わず、どうか自分の命や将来を守るために、ワクチンを打つ選択肢を考えてほしいと思います。
同時に、男性が接種することでパートナーの感染が防げる、ということもありますよね。HPVワクチンは他の一部のがんのリスク低下にももちろんつながりますし、女性だけのものと思わず、男性も積極的に打ってほしいです。
男女問わず、もっと呼びかけが必要だなと思いますし、男性も無料で接種できる仕組みになれば、もっともっとハードルも下がるのになと思います」
中島キャスター
「子宮けいがんに詳しい産婦人科医の稲葉可奈子氏は、ワクチンについて『時間に余裕がある夏休みの接種を検討してみてほしい』としています」
(8月9日放送『news zero』より)