ビッグデータで“渋滞のない世界”をつくる
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ゲストいち押しのソーシャルグッドなヒトやモノを紹介していただく「recommend」。DATAFLUCT代表の久米村隼人氏、一押しは「渋滞の無い世界」。
――渋滞の無い世界はどのような世界なのでしょうか。
今注目しているのが「Mobility as a Service(MaaS)」のアプリです。スマホで行きたい場所を入力すると、そこまでの最適なルートが表示されて、アプリの中で予約と支払いが全部出来ます。
タクシー配車アプリがすごく画期的になっているのをイメージしていただければいいと思います。タクシーだけではなくて、カーシェアリングやバイクシェアなどいろいろな交通機関を組み合わせて、一気に予約できるというところに今すごく注目しています。
これが作ることが大変で、バラバラなシステムをつなぎ合わせるところが大事になるのでかなり骨の折れる作業かなと思っています。この何がソーシャルグッドなのかというと、「ビッグデータで需要がコントロールできる」ということが一番画期的と思います。
――需要がコントロールできるとはどういうことでしょうか。
例えばですが、CO2の排出量が多いルートを選ぼうとするとちょっと高めの金額を出すといったことや、今後再生可能エネルギーが増えると(天気によって)電気の生産量、金額が変わるので、気候のデータを使うことで、曇りの日は料金が高くなるみたいなことが起きると思います。
こうすることによって人の移動が便利になるだけではなく、都市全体で渋滞がない世界、環境負荷の少ない世界が作れるのではないかなと思っています。
――コントロールしていけるということですよね。お話を伺っていると、いつか今日の電車賃と明日の電車賃が違うという世界が来るかもしれない。
やるかどうかは置いておいて、実現しようと思ったらできます。今すでに航空、燃油の分野で起きているようなことが、電力、ガソリンの原価によって支えられているあらゆる移動手段で起こる。需要をコントロールしやすくなっていく世界が作れるのではないかと思っています。弊社でも、需要をコントロールできるような、MaaSを支援していくような仕組みをリリースしています。
■久米村隼人氏プロフィル
DATAFLUCT代表。衛星データをはじめとしたさまざまなデータから、社会課題を解決するデータサイエンス・スタートアップスタジオ、DATAFLUCTの代表。大学院卒業後、ベネッセコーポレーションをはじめリクルートグループや日本経済新聞社などで15以上の新規事業を創出。社内起業も経験した。2018年に独立し、JAXA(宇宙航空研究開発機構)に新規事業の専門家として招へいされる。そして2019年にDATAFLUCTを創業。JAXAの業務で得た知見を利用して事業をおこなうJAXAベンチャーにも認定されている。
【the SOCIAL recommendより】