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宇宙に“きぼう”を スタジオ開設

2020年3月25日 16:35
宇宙に“きぼう”を スタジオ開設

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回のテーマは「2020年国際宇宙ステーションにスタジオ開設」。朴正義さんに聞いた。

去年11月、宇宙航空研究開発機構「JAXA」は、バスキュールとスカパーJSATとISS(国際宇宙ステーション)に番組を放送・配信するためのスタジオを開設すると発表しました。2020年ISSの日本実験棟「きぼう」船内に番組スタジオ「The Space Frontier Studio KIBO(きぼう宇宙放送局)」を開設し、国際宇宙ステーションに長期滞在する宇宙飛行士と共に、宇宙に設置されたディスプレイを介して、宇宙と地上でリアルタイムにコミュニケーションが楽しめる双方向ライブ配信の開始を予定しています。


――朴さんに、お話を伺いたいと思います。まず、フリップをお願いいたします。

「KIBO」と書きました。

そうですね、ちょっと今回のキーワードは“希望”なんですけれど、まず一つはですね、「The Space Frontier Studio KIBO」ということでやっているんですけども、実はこれどこから配信するかというと、ISSの日本の実験棟「きぼう」からです。宇宙飛行士にカメラを構えてもらって、地球が見える丸い窓があるんですけども、通常であれば宇宙飛行士という人類のエリートしか行けないところに一般の人でも、中に飛び込んでくる――そのようなことが実現できたらステキだなというふうに思っています。

この“希望”は、本当に日本実験棟は「きぼう」という名前なんですけれども、これが本当に人類にとっても、この“希望”っていう言葉が、何か伝わるというか、日本語なんですけども、それが何か世界に伝わるキーワードになったらうれしいなっていう思いでコンテンツをこれからつくっていければいいなと思っています。


――世界中の人が見られるという状況になるわけですね。

ちょっと以前ヒントとなるコンテンツをやったことがありまして、スマホを宇宙に打ち上げてそこにみんながメッセージを配信するっていうのをやったんですけれども、これは成層圏のだいたい30キロ上空ぐらいまでいったんですけども、今回は400キロ上にある宇宙なので、そこのスクリーンは一般の皆さんと出会ったりとか、クリエイターに開放したときに、そこでどんなメッセージをやるのかみたいなことができるといいなと。

ISSっていうのは地球を90分で一周するんですね。日本だったらだいたい3分ぐらいで横断するんですね。その3分間を使って、もしそのタイミングが取れたら、その3分間でみんなで音楽と共に何か一緒にすごいステキなショーができるかもしれないとか。そんな試みができて、みんなに希望というか勇気を与えられたらよろしいなというふうに思っています。


――ステキですね。また2020年に開始ということなんですが、具体的にいつ頃を予定されているんですか。

2020年夏にもともと予定していたんですけれども、まさにここでも新しく“希望”というこのキーワードが出てくるかなと思うんです。昨日、オリンピックの延期も決まり、僕らも今、技術的になかなか大変なところがあるんですが、JAXAさんと一緒になって、何とかこの夏にこのコンテンツを世の中に出せて、地球の皆さんにステキなメッセージっていうのを伝えられたらうれしいなっていうことで、いまがんばっているところです。


――今の状況の中では、本当に希望的な存在になりそうですね。

そうですね、今、いろんなクリエイターとミュージシャンの皆さんとかにも、少しずつお声掛けしてるんですけど、すごく期待を持っていることなので、まだ答えはわからないんですが、みんなで本当にステキなコンテンツを何とか生み出したいなと思っております。


■朴正義さんプロフィル
広告企画制作、サービス開発、空間演出など、数多くのプロジェクトに挑むクリエーティブチーム・バスキュール代表。メディアやフォーマットにとらわれないアイデアで、これまでに国内外のクリエーティブ賞を350以上受賞している。今年はクリエーション活動の領域を宇宙に広げ、国際宇宙ステーションにスタジオ開設し世界初のライブ双方向配信「きぼう宇宙放送局」の開局を予定している。

【the SOCIAL opinionsより】