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九州で宇宙産業推進 内之浦宇宙空間観測所

2020年1月29日 14:49
九州で宇宙産業推進 内之浦宇宙空間観測所

ゲストいち押しのソーシャルグッドなヒトやモノを紹介していただく「recommend」。QPS研究所代表の大西俊輔氏、イチオシは?

「内之浦宇宙空間観測所」

――内之浦宇宙空間観測所に注目されているというのは、どういうことでしょうか。

こちらはロケットを打ち上げる場所なのですが、鹿児島県肝付町というところにあり、海に面している上、世界的に珍しい山間部にあるロケットの打ち上げ場となっています。九州というところは、実は九州航空宇宙開発推進協議会、九州の航空宇宙産業というものを発展させていこうという会があり、そこが昨年にこの内之浦の射場を使って、宇宙産業を盛り上げかつ、九州の地域産業を盛り上げていこうという会をつくっています。

――なるほど。そもそも九州でなぜ宇宙なのだろうという疑問がここで解けました。

そうです。まさに私たちの会社の創業者である八坂が、九州航空宇宙開発推進協議会というところで、九州の宇宙産業を根付かせて、かつ発展させていこうということを十数年やってきたので、まさにそういった中でこの打ち上げの射場があるということになれば、九州で私たちが作った衛星を九州の射場で上げて九州の子どもたちがそれを見たら、もしかしたら将来的に宇宙産業でもほかの産業でも活躍する人材が出てくるのではないかと。そういった一連の流れを九州一体となって作っていくチームを作っていきたいです。

――オール九州で宇宙産業を盛り上げるということですね。でも今の段階でQPS研究所は、内之浦宇宙空間観測所では、衛星を打ち上げられていないですよね。

そうですね。本当は私たちもここで打ち上げることに越したことはないですが、なかなか打ち上げるためのロケットがないので。

――ロケットがないという問題なのですね。

はい。なので、インドの打ち上げということで進んでいますが、将来的には九州で完結してかつ九州を盛り上げていくという動きを作っていけたらなと思っています。

――ここに九州の皆さんが集まって、またパブリックビューイングをしたらすごく盛り上がりそうですね。

そうですね。かつ、そこに子供たちが来てもらえると、将来のすごく素敵なエンジニアとか、素敵な方々になっていくのではないかなと思っています。

――また、技術を受け継いでいく人材も必要になってきますからね。

私も、子供の頃にそういう打ち上げを見て、宇宙業界というものに携わっていきたいなという思いも生まれたので、次の世代に引き継いでいけたらなと思います。

■大西俊輔氏プロフィル
QPS研究所代表。天候や昼夜関係なく観測が可能な、超小型・低コストの合成開口レーダー、SAR衛星を開発し、2019年12月に1号機を打ち上げ・運用。36機の小型SAR衛星で、世界中ほぼどこでも平均10分以内に撮影し、観測することを予定している。収集したデータを活用することで、防災や環境調査にも貢献できる社会インフラの構築を目指す。九州大学大学院在籍時より、小型衛星プロジェクトのリーダーとして活動。2013年10月九州に宇宙産業を根付かせるべく、2005年に九州大学名誉教授陣を中心に創業したQPS研究所に入社。2014年4月に代表取締役社長に就任した。

【the SOCIAL recommendより】