ガンプラ宇宙へ 五輪と宇宙は人間の理想
ゲストがイチオシのソーシャルグッド、アイデアグッドなモノやコトをご紹介いただく「recommend」。日本テレビ社会部の杜雲翼記者のイチオシは「東京オリンピック・パラリンピック ONE TEAM PROJECT『G-SATELLITE 宇宙へ』」。
東京大会ではスポーツ以外にもさまざまな取り組みが行われていて、前回は「東北復興」をテーマにした巨大人形“モッコ”の文化プログラムを紹介しましたが、今回は“宇宙”がテーマです。
――壮大なテーマですね。
はい。こちらをご覧ください。まさに私が今持っているこれと同じ大きさ、縦横10センチ、奥行き約34センチの超小型衛星に、機動戦士ガンダムのプラモデル、いわゆる“ガンプラ”を2体載せて宇宙に飛ばそうというプロジェクトなんです。
これはJAXAと東京大学などが携わっているプロジェクトで、ガンプラを搭載した超小型衛星をことし3月にISS(国際宇宙ステーション)に運んだあと、4月ごろにISSから宇宙空間に放出するんです。
――衛星ということは、放出されたあとは、地球の周りをぐるぐるまわるんですか。
その通りです、軌道に乗ったあとは、地球の周りを約90分で1周します。1秒間に8キロという速さです。
そして衛星が開いて、搭載したガンダムとシャアザクのガンプラ2体が宇宙空間に登場します。ガンプラの足元には電光掲示板があって、大会を応援するメッセージが表示されます。この衛星にはカメラ7台が取り付けられていて、宇宙空間を背景に写真を撮影して、公式のSNSなどで配信するということなんです。
――宇宙空間は過酷だと思いますがガンプラは大丈夫なんですか?
はい、宇宙空間は真空で、暑さ寒さも厳しいので、ガンプラは「ハイテンプ」という特殊な樹脂などでできています。それから、衛星がとにかく小さいということで、そのための技術開発が大変だったということなんですね。開発は、東京大学の中須賀教授と福井県内の企業が行いました。
――特にガンダムファンは楽しみですよね。
私は去年『機動戦士ガンダム』総監督の富野由悠季さんにインタビューしました。オリンピックは、平和を追い求める意味で、人間の一つの理想の姿なんだと。同じように、宇宙に対する興味や宇宙開発というのも、人間の本能、理想の一つの形なんだと。そういう意味では、オリンピックと宇宙開発というのはつながっていて、このプロジェクトは、次の世代にもつながっていくものなんだとおっしゃっていたのが印象的でした。
【the SOCIAL recommendより】