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2022年4月9日 12:00

キャンパー必見! 愛用品のナイフでまさかの検挙? 銃刀法の思わぬ落とし穴

キャンパー必見! 愛用品のナイフでまさかの検挙? 銃刀法の思わぬ落とし穴
写真:アフロ

まん延防止等重点措置が解除され、ゴールデンウイークも間近。コロナ禍でも密を避けられる…と、人気のキャンプに行く人も少なくないだろう。

欠かせないのはキャンプ用ナイフだが、思わぬケースで警察から取り締まりを受けることも…。「銃刀法」の注意点について、警視庁に聞いてみた。

■銃刀法改正…取締りは強化

いま全国の警察で、ある作業が進められている。それはクロスボウ(ボウガン)を回収し、廃棄すること。2020年6月、兵庫・宝塚市で4人がクロスボウで撃たれ死傷した事件などを受け、所持を許可制とする改正銃刀法が3月15日に施行された。

許可を受けられるのは、射撃競技や動物への麻酔などの用途に限られ、いま持っている人は、施行日から半年後の9月14日までに所持の許可を申請するか、適法に所持できる人に譲り渡すか、警察署に持って行き廃棄をお願いしなければならない。

つまり今後は、一般の人がクロスボウを持つことはほぼ不可能になる。警視庁によると、都内ではすでに200本以上のクロスボウが回収されたという。

クロスボウを持っている人は多くないだろうが、銃刀法をめぐっては「知らなかった」では済まされない思わぬ落とし穴がある。キャンプ用ナイフなどを例に、ここでおさらいしてみたい。

■ナイフ所持の「正当な理由」とは?

こちらの一見、同じような2種類のナイフ。キャンプ愛好家の中には、こうしたナイフを持っている人もいるのではないだろうか。

実は、一方は所持自体禁じられているのだが、どちらかわかるだろうか。

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正解は写真左の「ダガーナイフ」と呼ばれるナイフ。実はこのナイフ、刃が両側に備えられていることなどから、銃刀法が定める“剣”に該当。2008年の秋葉原連続殺傷事件で使用されたことを受け、翌年から5.5センチメートル以上のものは所持そのものが禁止されている。キャンプ歴が長い人の中には知らずに愛用している人もいるかもしれない。

もう一方の右の写真のナイフは、一般的に「サバイバルナイフ」と呼ばれ、キャンプでの薪割りや料理などでよく使われているものだ。

そもそも、銃刀法ではこうしたキャンプ用のナイフや包丁、はさみなどは、仕事や日常生活で必要なものであることから、所持自体は合法とされている。ただし、刃体の長さが6センチメートルを 超えるものについては、人の生命に危険を及ぼすおそれが高いため、「正当な理由」なく外で持ち歩くなどして「携帯」する行為は禁じられている。

「正当な理由」とは社会通念上、つまり、社会常識に照らして刃物を「携帯」していてしかるべき状況にあるのかどうかということだ。キャンプに使うためのナイフであれば持ち歩いていても問題ないように思えるが、場合によっては、違法に携帯したとして取り締まりの対象となり、検挙される可能性があるという。もし違法に刃物を所持して検挙されれば、「2年以下の懲役または30万円以下の罰金」に処されることになる。

では、「正当な理由」と言えるのは、どんな場合なのか。警視庁幹部に聞いた。

■「いつか使うかも」は?

最初に紹介するのは、「キャンプに向かう途中や帰り道に警察官から職務質問され、車のトランクに積んでいたナイフが見つかった」というケース。

この場合、キャンプ場の予約をしていたり、ナイフ以外にもキャンプ道具を持っていたりするなど、これからキャンプに行く、あるいはキャンプ帰り、ということを客観的に証明できれば何の問題もない。当然、「正当な理由」にあたるという。

では、「以前、キャンプで使ったナイフを車のトランクに積みっぱなしにしていた」場合はどうだろうか。

「キャンプ当日でなければ『正当な理由』とは言えず、違法な携帯と判断される可能性がある。“きのう”キャンプに行ったばかりでうっかり片付け忘れてしまったような場合、きちんとそれが証明できれば厳重注意で済むこともあるが、それが“3日後”“1週間後”と時間が離れれば離れるほど『携帯の正当性』が失われていくため、取り締まりの対象となる可能性も高くなる」(警視庁幹部)

「いつかキャンプで使うかもしれない」という理由で、車やバッグに入れっぱなしにしておくのも同じだ。

■相次ぐ刃物事案…護身用は?

警視庁によると、都内で違法に刃物を携帯したとして去年、銃刀法違反の疑いで検挙された数は1127件。2年連続で増加し、1000件を超えるのは3年ぶりだという。

キャンプ用のナイフを必要のないときに携帯しているケースはもちろんのこと、自分の身を守るため護身用に刃物を持ち歩くことは認められていない。「護身用」を認めてしまうと、事実上、誰でも持ち歩けるようになってしまうからだ。

また、銃刀法では「刃体の長さが6センチメートルをこえる」刃物について規制しているが、6センチに満たない刃物の所持であれば取り締まりの対象にはならない…と誤解している人も多いのではないだろうか。

実は、刃体の長さが6センチ未満の刃物であっても、「軽犯罪法違反」として取り締まりの対象となる可能性がある。この軽犯罪法では、刃物や人の生命や身体を害するのに使われる器具などを正当な理由なく隠して携帯することを禁止している。

気づいた人もいるだろうが、軽犯罪法では刃物のみならず“器具”の携帯も規制している。この“器具”には、例えば警棒や催涙スプレー、スタンガン、メリケンサックなどが含まれる。

ここでも問題になるのは、「携帯する正当性」だ。「警棒や催涙スプレーなどの携帯が認められるケースはほとんどないが、例えば、ストーカー被害にあっている女性が護身用に持ち歩くなど、現に危険性が存在する場合には、認められるケースもある」(警視庁幹部)

■「必要のないときは自宅で保管を」

最近、刃物を使った無差別事件が相次いだことを受け、警視庁は刃物の携帯について厳しく取り締まりを行っている。

警視庁幹部は改めて、こう注意を呼びかけた。
「何かあったときに便利だからといって安易に刃物や人を傷つけ得る器具を持ち歩いていると取り締まりの対象となる可能性がある。使う必要がないときは、自宅で保管してほしい」